[10]優等生の裏の顔|涙ながらに反省の色を見せていた優等生はすれ違いざまに告げ口するなと娘を威嚇

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前回のお話

美沙さんは中学2年生の歩実ちゃんを娘にもつ一児の母。そろそろ子離れかなと思っていた矢先、落書きされた教科書やノートを見て歩実ちゃんがいじめられているかもしれないという疑惑が浮上。夫の博之さんと相談ししばらく見守ることにして注意深く歩実ちゃんの様子を観察していると、靴が泥だらけになっていたり、体操服に穴が開いていたりといじめの可能性は高まるばかり。そんなある日、いつもより帰宅が遅かった歩実ちゃんのカバンに悪口が書かれビリビリに破れたノートを見つけていじめを確信した美沙さんはさすがに黙っていられなくなり歩実ちゃんを問い詰めました。歩実ちゃんが泣きながら話してくれたのは、加害者は優等生として有名なクラスメイトの風見さんとその友達で、期末テストで歩実ちゃんが風見さんよりも成績が良かったことで言いがかりをつけられたのが始まりだということでした。さらに、帰宅が遅かったのは理科準備室に閉じ込められていたからで、気づいた先生がドアを開けてくれたものの、特に何も聞かれずドアの建付けが悪かったと言われただけだといいます。風見さんだけでなく学校側の対応にも不信感を抱いた美沙さんと博之さんは学校へ連絡し、1週間後に話し合いの場を設けてもらうことになりました。当日は風見さんと母親、担任の水原先生、そして学年主任の先生が集まりますが、風見さんのお母さんはあからさまに面倒くさそう。博之さんが学校側の責任を追及しようとすると水原先生は泣き出し、意見を聞かれた風見さんも涙ながらに友達がやったことで自分は知らなかったとシラを切りました。学校側は風見さんの言い分を信じて理科準備室への閉じ込めは設備上の問題で、いじめをしていたのは風見さんではなく他の友達だと認識。友達がやったことだけれど自分が責任を負うと話す風見さんの芝居がかった言葉に先生たちはすっかり絆されている様子で、水原先生は二人を握手させ「これで大丈夫ね」と満足気。学校の事なかれ主義と反省したふりを装う風見さんに美沙さんは「こんなの茶番じゃない」と憤りを感じます。

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すれ違いざまに「告げ口してんじゃねーよ」と本性をのぞかせる優等生

学校での話し合いは完全に風見さんのペースで、こちらの主張は全く取り合ってくれないまま終了。歩実へのいじめは風見さんの愚痴を聞いた友達が勝手にやったことで風見さんに非はない、理科準備室での閉じ込めはドアの建付けが悪かっただけで設備上の問題として片付けられました。

帰り際、学年主任の先生が「今後はこのようなことがないよう職員一同サポート体制を整えます」と締めくくると「仲直りできてよかった。残り少し、一緒にクラスを盛り上げていきましょうね」と水原先生が風見さんに声をかけ、風見さんは「はい、先生!がんばります!」と笑顔で力強く答えました。さっき涙ながらに謝罪の言葉を口にしながらニヤリと笑っていた風見さんを思い出し、「・・この子、裏表あり過ぎ」と怖くなりました。

風見さんのお母さんは私たちに挨拶することもなく「りりな、帰るよ」と言うとさっさと歩きだしました。風見さんは「はーい。牧野さん、本当にごめんね。また明日ね!」と軽い感じで言い、歩実は少し戸惑った様子で「・・ばいばい」と返しました。

すると、すれ違いざまに「告げ口してんじゃねーよ、クソが」と風見さんが歩実にボソッと言ったのが聞こえました。私は驚いて固まる歩実の背中をさすりながら、「やっぱり。何この子・・!」と驚き、風見さんはやはり反省などしていないと確信しました。

「無駄な時間だったわ。でも、りりなには思ってくれる友達がたくさんいるのね」「うん!仲いい子いっぱいいるよ」と笑顔で帰って行く風見さん親子の背中を眺めながら「許せない・・なんなの?」と怒りがこみ上げました。

先生たちの前ではしおらしい態度を見せていた風見さんですが、美沙さんが感じた通りやはり微塵も反省していませんでしたね。反省どころかますます歩実ちゃんへの苛立ちを強めたようにも見える風見さん。明日からの歩実ちゃんの学校生活が心配です。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:きちやん
人生2回目なの?と思うようなしっかり者の長女けいと、のんびりマイペースな長男ひかと、優しい夫との日々を描いてます!

最新のコメント
  • んー より

    ありきたりだけど、小型ボイレコ持ち歩いて証拠たくさん掴んでおこう!
    明日以降のイジメっ子だけじゃなく教師達の対応も知っておかないと。

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