[27]帰らない夫|なかなか帰ってこない理由を知った妻の不気味すぎる笑顔に、顔を引きつらせる夫と義姉

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前回のお話

アヤノさんは、兄嫁キョウカさんをサポートするために頻繫に実家へ帰る夫トモヤさんに悩みを抱えていました。新婚なんて関係なく、仕事で忙しい義兄ナオキさんに代わって駆り出されるトモヤさん。一人娘のヒマリちゃんが産まれても変わることはありませんでした。その後、義兄夫婦が離婚することになるとさらに頻度は増え、ヒマリちゃんが高熱を出しても、結婚記念日にも帰ってこなくなりアヤノさんは途方に暮れます。ある日、義母から呼び出されたアヤノさん。嫌な予感がしながら向かうと、突然「トモヤと離婚してほしい」とお願いされます。予想外の提案に、トモヤさんとキョウカさんの不貞を疑うアヤノさんでしたが、「トモヤとそういう関係じゃない」とキョウカさんに面と向かって言われ、頭を混乱させたままその場を立ち去りました。泣きながら家路を歩いていると、アヤノさんのもとに突然電話が。電話口の相手はわかりませんが、アヤノさんは何やら話し込んでいる様子でした。その日の夜、今までの出来事が嘘だったかのように明るく振る舞うアヤノさん。トモヤさんが内心ホッとしていると、突然「私もトモヤの実家で同居できないかな?」と提案されビックリ。はじめは渋るトモヤさんでしたが、おいしい条件を付けられると同居を快諾。そして1か月後、義実家での同居生活がスタートしました。アヤノさんは同居早々『現金にこにこ払い作戦』という名目で、トモヤさんのキャッシュカードやクレジットカード、スマホの決済アプリを管理し、家計を握ったのでした。

1話目から読む

義実家では割り切ることが大事!甥が夫をパパと呼んでも気にしない

『現金にこにこ払い作戦』と称し、本格的に家計管理を始めた私。このままトモヤに家計を任せていたら、本来なら将来ヒマリのために使われるはずのお金までキョウカさんたちへ流れてしまう。トモヤは私たちの家族なのに、他の家族にお金を渡すのは納得いきません。私が家計をすべて握れば、無駄な流出を防いで少しでもヒマリの将来のためにお金を貯められると思ったのです。

ヒマリのためなら私は何だってできます。たとえ嫌いなキョウカさんの手料理でも、笑顔で食べるくらいどうってことありません。もっとも、私があまりにも明るく振る舞うものだから、キョウカさんは少し引き気味でしたが・・・。

ソウくんがトモヤを「ぱぱ」と呼ぶのだって、まったく気にしません。「あっ、ごめんなさい」と気まずそうにするトモヤとキョウカさんに向かって、私は「全然!気にしないでください」と笑顔で答えました。

「パパいるね~」と声をかけると、ソウくんはにこっと笑って「ぱぁぱ」と返してくれました。私はそのままトモヤに視線を向け、「ソウくん、かわいいね~」と満面の笑みで言います。ソウくんの「ぱぁぱ」を受け入れてずっと笑顔を崩さない私が不気味なのか、トモヤは引きつった顔で「う・・・うん」と小さく頷きました。

夕食を食べ終えると、タイミング良くヒマリが泣き出しました。私はすぐに「お腹すいたの?じゃあ、お部屋に行こうか」と声をかけ、ヒマリを抱き上げます。するとトモヤが少し気まずそうに「アヤノ・・・か、片付けは?」と遠慮がちに尋ねてきました。私は彼の顔を見ることなく、「お願いしてもいい?ヒマリに授乳したくて」とだけ返しました。

私はトモヤとキョウカさんに向かって、「ホントごめんね、キョウカさんもごめんなさい!」と言い残し、リビングを後にしました。部屋を出た瞬間、私は胸に溜まっていたものを吐き出すように大きく深呼吸をします。大丈夫ちゃんとうまくやれてる・・・そう言い聞かせながら、静かに気持ちを整えました。

トモヤさんやキョウカさんの表情が引きつるほど明るく振る舞うアヤノさん。何かを企んでいるのは間違いなさそうですが、その笑顔から本心がまったく読み取れないところが不気味ですね。けれど、ひとりになった瞬間に見せる表情は、どこか無理をしているような、覚悟をしているようなそんな状態です。アヤノさんが報われることを願うばかりです。

※ストーリーはフィクションです。登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。

最新のコメント
  • アニー より

    このずうずうしい義姉に負けるな。絶対義姉がアヤノを自分の思う通りに動かそうと今からするはずだから(とくにトモヤを使って)負けるなアヤノ。事情を知ってアヤノの実姉妹や兄達も参戦してきたら面白いんだけど。いたらの話だけど。

  • ありす より

    現金ニコニコ払い。いいですねー。お手本にします。目からうろこです。お話とあまり関係ないかもしれませんが。このお話進み方がとてもゆっくりなのですが久し振りにおもしろいですよ。

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