[12]娘を捨てた私|どうして母を信じなかったんだろう。後悔と罪悪感でいっぱいの娘は15年ぶりに母へ連絡

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前回のお話

娘のリコちゃんが自分よりも義母に懐いていることに長年悩みを抱えていたミサキさん。こうなったのは、ミサキさんがリコちゃんを嫌っていると嘘を吹き込んで自分にだけ好意が向くように義母が仕向けていたからでした。義母の言葉しか信じなくなったリコちゃんは、年を重ねるごとにミサキさんを拒むようになり激しく反発。夫のコウイチさんに相談しても「母さんとうまくやってくれ」と言うだけで真剣に取り合ってくれず、リコちゃんが小学生になった頃には母親の立場も役割もすっかり義母に奪われていました。耐えきれなくなったミサキさんは、義母と離れたいとコウイチさんに相談するも「不満ならお前が出て行け」と言われてしまいます。リコちゃんに2人で暮らそうと提案したミサキさんですが、あっさり断りもう会えなくなってもいいとまで言い切るリコちゃんを見て自分が全く必要とされていないことを痛感。自分がいない方がリコちゃんが幸せになれると考えたミサキさんは一人で家を出ました。15年後、結婚して赤ちゃんを授かったリコさんは、ある日実家でミサキさんの日記を見つけ、祖母から聞かされていた話が全て嘘だったことを知ります。母親が自分を嫌っていて捨てられたと思ってきたリコさんは、実は自分が母親を捨てていたという事実にショックを受けます。本当のことを知ったリコさんは、祖母と父親にミサキさんの日記を読んだことを伝え、「お母さんが出て行ったのは私たちのせいだったんだね」と詰め寄りました。

1話目から読む

どうして母を信じてあげなかったんだろう

お母さんが私を捨てて出て行ったというのは、おばあちゃんとパパの嘘でした。それを問い詰めると、おばあちゃんは開き直り、パパは言葉に詰まっていました。

「私はずっとお母さんに捨てられたと思って生きてきたの。おばあちゃんとパパの言うことを信じて」お母さんの気持ちを思うと胸が締め付けられました。でも、おばあちゃんは「そんな昔の事・・今さら何を言っているの?」と呆れたように言いました。

「どうしてパパはお母さんの味方になってあげなかったの!?」と責めると、パパは気まずそうに視線を逸らし何も答えません。「どうして私はお母さんの言う事を信じてあげなかったんだろう」激しい後悔の念が押し寄せます。

「私・・母親になる自信がないよ。ちゃんとこの子を幸せにしてあげる自信がない・・。おばあちゃんもパパの事も信じられない」私がそう呟くと、二人は気まずそうに立ち尽くします。

私は「しばらく2人には会いたくない・・」と言って部屋を出ました。自分の部屋に行った私は、しばらく考えて電話をかけました。

呼び出し音がしばらく鳴った後、「もしもし」と優しそうな女性の声がしました。その声を聞いた私は自然と涙が溢れ「お母さん・・?」と問いかけました。少しの沈黙の後、「リコ・・本当にリコなの・・?」とお母さんの涙ぐむ声が聞こえました。

勇気を出してお母さんに電話をかけたリコさん。驚きながらも嬉しそうなお母さんは、わずかな望みをかけてずっとずっとリコさんからの連絡を待っていたのでしょうね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:ねむりひつじ
男の子ママ。面白かったり可愛かったなぁと思った子どもの様子をノリと勢いで描いています。

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