[6]優等生の裏の顔|明らかにいじめの被害を受けているのに、深く追求しない担任の先生に募る不信感

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前回のお話

美沙さんは、中学2年生の歩実ちゃんを娘にもつ一児の母。仲のいい友達もできて、そろそろ子離れかなと思っていた矢先、歩実ちゃんがいじめられているかもしれないという疑惑が浮上します。それ以来、注意深く歩実ちゃんの様子を観察するようになった美沙さん。すると、靴が泥だらけになったいたり、体操服に穴が開いていたり、いじめの要素が続々と出てきて不安は募るばかり。そんなある日、歩実ちゃんの通学カバンの中に悪口が殴り書かれたビリビリのノートを見つけ、美沙さんはいじめを確信します。歩実ちゃんに「何があったのか話してくれる?」と聞くと、歩実ちゃんは「少し前から風見さんたちに言われるようになって・・・」と話し始めました。風見さんは歩実ちゃんのクラスメイトで優等生。期末テストで歩実ちゃんに負けたのが悔しくて、「塾も行っていないのに成績がいいのはおかしい」と言いがかりをつけられたのがいじめの始まりだと言います。いじめは徐々にひどくなっていき、理科準備室に閉じ込められるまでになったと泣きながら話す歩実ちゃん。先生がドアを開けてくれてなんとか出られたけど、いじめについては何も聞かれなかったと言っているのを聞いて、美沙さんは風見さんだけでなく学校側の対応にも不満を感じざるを得ませんでした。

1話目から読む

学校側が動かないなら、自分たちから声を上げるしかない

歩実はやはりいじめを受けていました。加害者はクラスメイトの風見さんとその友達。期末テストで歩実に負けたのが許せなかったらしく、「塾も行っていないのに成績がいいのはおかしい」と言いがかりをつけられたのが始まりだったそうです。今日理科準備室に閉じ込められたのも、風見さんの仕業だと歩実は話します。運よく見回りに来た担任の先生が気付いてくれてなんとか外に出られたけど、先生は閉じ込められていることについて特に言及しなかったようです。

私はその話を聞いて、学校側の対応に不満を感じざるを得ませんでした。「なんで閉じ込められているのかとか、誰にやられたとか聞かれなかったの?」と聞くと「建付けが悪くて開かなくなっていただけで、ドアが少し歪んでたって言われた」と歩実は話します。

しかし、実際に歩実が閉じ込められたときには、何かがぶつかるような音と風見さんたちの笑い声が聞こえたそうです。「たぶん本人たちは知らないって言うかなと思って先生にも言ってない」と話す歩実。私は担任の先生の頼りなさに頭を抱えました。

その日の夜、私は仕事から帰ってきた夫の博之に歩実が閉じ込められたことを話しました。「許せないな、それで歩実は?」と心配そうに問いかける博之。「疲れて寝てる、ちょっと熱っぽいから風邪ひいたのかも」私がそう言うと、「こんな寒い中、遅くまで学校にいたんだもんな」と辛そうな表情で窓の外を見つめました。

事態を放っておけないと思った博之はスマホを手に取り、「静観している場合じゃなかったな、一度学校に連絡してきちんと話した方がいい」と言いました。私もその言葉に頷き「明日連絡して話し合いの場を用意してもらうわ」と応えます。博之は落ち着いていましたが、表情から怒りに震えているのがわかりました。

このとき私たちは、絶対に歩実を守ると固く誓いました。そして1週間後、私たち家族と風見さんたちは、いじめの件について学校で話し合うことになったのです。

明らかに閉じ込められていたのに「ドアの建付けが悪かった」という一言で済ませ、それ以上踏み込もうとしない先生の対応に、美沙さんが不満を抱くのは無理もありません。いじめを大事にしたくない気持ちも理解できなくはありませんが、大切な娘が被害を受けているのを前にすれば、悔しさと怒りが込み上げてくるのは当然です。せめて今回の話し合いが、事実と向き合うきっかけになるといいのですが。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:きちやん
人生2回目なの?と思うようなしっかり者の長女けいと、のんびりマイペースな長男ひかと、優しい夫との日々を描いてます!

最新のコメント
  • 参謀A より

    先生が頼りなさそうで心配。
    風見さんも悪知恵働きそう。
    ここは親がしっかりしてそうだからまだマシだけど…。
    見方を変えると、親は学校に子供を人質に取られてるようなもんだしなー。
    どこまで学校や先生に頼れるか。

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