目に飛び込んできたのは、言葉を失うほど悲惨な光景

いつもならとっくに帰っている時間になっても、なかなか帰宅しない歩実。学校に電話するか迷いましたが、過保護だと思われたくなくて踏みとどまります。そして歩実の帰りを待つこと30分。痺れを切らした私は、通学路を探しに出ることにしました。外に出るとあたりはすっかり真っ暗。目を凝らしながら歩実の姿を必死に探していると、「ママ?」と私を呼ぶ声が聞こえました。振り向くと、青ざめた顔で小刻みに震える歩実の姿が目に飛び込んできたのです。
「歩実、大丈夫?」私は急いで歩実に駆け寄り、優しく抱きしめました。身体はすっかり冷え切っていて、長い時間寒さにさらされていたことが伝わってきます。私は着ていたコートを歩実にかけると、「歩ける?とにかく早く帰りましょう」と声をかけ、家路を急ぎました。

早く身体を温めないと風邪をひいてしまうと思った私は、帰宅してすぐ、歩実にお風呂に入るよう言いました。歩実がお風呂に入ったのを確認すると、持ち物をチェックします。制服の乱れはなかったけど、制服もかばんも埃っぽい・・・一体何があったんだろう。私は歩実の通学カバンに目を付けました。

いじめの事実を確かめたかった私は、「歩実、ごめんね」と心の中で謝りながら、そっと通学カバンを開きます。目に飛び込んできたのは、言葉を失うほど悲惨な光景でした。ビリビリに破られたノートに、「ブス」「何で生きてるの」と書き殴られた落書き・・・もう黙って見過ごすことはできませんでした。

「ママお風呂ありがと、あとお迎えも・・・」私を心配させまいといつも通り振る舞う歩実でしたが、さすがに耐えられなかったのか、目から涙がこぼれ落ちました。私は「いいの、大事な歩実のためだもの」と言い、歩実をそっと抱き寄せます。

「ごめんなさい遅くなって」帰るのが遅くなったことを謝る歩実に、「そんなのは大丈夫だから、何があったのか話してくれる?」と優しく問いかけました。すると歩実は、しゃくりあげながらこれまでのことを話してくれました。
ノートをビリビリに破られ、心ない言葉を書き殴られても、歩実ちゃんはずっと1人で耐えてきました。美沙さんに何があったのか聞かれても、なかなか口を開かなかったのは、お母さんを心配させたくなかったからなのでしょう。今回帰りが遅くなったのも、やはりいじめが原因ではないのか・・・そんな不安が拭えませんね。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:きちやん
人生2回目なの?と思うようなしっかり者の長女けいと、のんびりマイペースな長男ひかと、優しい夫との日々を描いてます!
![ママ広場 [mamahiroba]](https://mamahiroba.com/wp-content/themes/mamahiroba-2024/images/common/logo.webp)

こんなのツラいー。
イジメほんと最悪。
本人も親もツラいよね…
器物損壊罪!
戦争だ!いや警察だった!