レシートはないけれど滅多に無いことだからと許した母親


ある日、珍しく息子のショウが参考書を買いたいと言ってきました。お友達が勧めてくれたそう。勉強にやる気が出たのかしら。嬉しくなった私はそういうことなら喜んで支払います。

ショウに参考書の値段を聞くと、5,000円あれば足りるかな~と曖昧な返事でした。え、参考書ってそんなにするの?とは思いましたが、この時の私はそこまで深く考えずにいました。それでもお釣りは返すことと、レシートをもらってくるようにしっかりショウに伝えると「わかってるって。」と一言。その言葉を信じて5,000円渡しました。

翌日、学校の帰りにさっそく参考書を買いに行くと言っていたショウから、夕方になって友達と外で食べてくると連絡がありました。みんなで本屋さんへ行って、そのままご飯、という流れかしら。まぁ頻繁にあることではないし、一人だけ帰らせることもないわよね。そう思った私は『了解。一応、レシート』と返信しました。参考書と食事代。ちゃんと把握したいし、お釣りは返してもらわなくちゃと思っていました。

夜になって帰宅したショウは、楽しかったと満足そう。たまにはこんな日があってもいいかもね。さっそく「じゃ、レシート。」と催促すると、ショウは私とは目を合わせず「それなんだけど」と前置きして、参考書を買うときにレシートは要らないと言ってしまったと言いました。

「はぁ?」と今にも説教が始まりそうになった私に、ショウは友達と行ったご飯代も、まとめて払ってくれた友達に自分の分を払ったからレシートが無いと付け加えたので呆れてしまいました。でもまぁ、どちらもショウにはありそうな理由です。「えー。」と不満でいっぱいの私に、私からもらった5,000円で足りたと言うので、今回だけだと念を押しはしましたが、この時は特に追及もしませんでした。今思うと、参考書がいくらだったのかショウに聞くか調べることもできたし、飲食代だってだいたいいくらだったのか追及もできたな、と思います。
冷静に考えたら参考書に5,000円と言われて何冊買うの?とか、高すぎない?とか聞けたかなと思いますが、それが珍しいことだと、勉強のやる気が出たショウ君をサポートしてあげようとお金を渡したお母さんの気持ち、わかります!
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
LGBTQ当事者、1児の母。
里帰り育児漫画やLGBTQを絡めた創作漫画を描いてます。
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