送迎の座席まで自分の思い通りにならないと気が済まない

アオイちゃんに誘われてそろばん教室に通い始めたアイ。２人で仲良く通い、そろばんも楽しいようで安心していたのですが、数ヶ月後にヨウちゃんが同じ教室に入ってくると状況は一変。３人で通うようになると、いつも２対１の並びになりヨウちゃんがアオイちゃんの隣を陣取るので、１人になるのはいつもアイ。さらに、どんどん級が上がるアイにヨウちゃんが「ずるい！」と怒るのです。

ある日のそろばん教室の帰り、この日は雨が降っていたので教室まで車で迎えに行きました。もともと雨の日は私がアオイちゃんも一緒に乗せて帰っていたのですが、送るとも言っていないのにヨウちゃんが「私、後ろの席でアオイちゃんと座りたいです！」と主張してきました。

我が家の車なのに、「アイちゃんは前の席でいいですよね？」となぜか主導権を握るヨウちゃん。正直ヨウちゃんは乗せたくない・・！と心の中で思ったものの、そんなことを言えるはずもなく「い、いいよ。アイはママの隣に乗って・・」と私が折れ、自分の思い通りになったヨウちゃんは「やったー！」とご機嫌。

帰りの車の中、ヨウちゃんは後部座席でずっとアオイちゃんに話しかけ、助手席のアイは蚊帳の外。寂しそうなアイを見て、私のほうが辛くなってしまいました。

そして、家の方向的にヨウちゃんを先に送って行こうとしたのですが、自分が先に降りるとわかったヨウちゃんが「どうして私が先なんですか？！アオイちゃんと２人でどこか行くんですか？！」と怒り出しました。「どこにも行かないし、ヨウちゃんのおうちの方が近いからだよ。遠回りになるでしょ？」となだめると、

「じゃ、じゃあ！アイちゃんは、アオイちゃんの隣に座らせないでください！！」と自分が降りた後のことまで指示するヨウちゃん。自分のいないところでアイとアオイちゃんが仲良くするのが嫌なのでしょう。私はうんざりしながら「・・わかった。わかったよ・・」と答え、なんとか納得したヨウちゃんを降ろしました。

二人を送った後、私はアイにもう一度聞きました。「・・・もうさ、二人と一緒に行くの、やめない？」アイはしばらく考えて「・・・うん」と静かに言いました。

自分よりも、アイちゃんがアオイちゃんと仲良くなるのが気に入らないのか、車の座席や降りる順番にまで口を出してくるヨウちゃん。アイちゃんは自分からは何も言いませんが、あからさますぎる仲間はずれを目の当たりにして、お母さんが嫌な気持ちになるのは当たり前ですよね。２人と一緒にそろばん教室に通うのをやめて、アイちゃんが嫌な思いをすることがなくなればいいと思うばかりです。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案：ママ広場編集部　脚本：のきわだ　編集：石野スズ
作画：マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。SNSで育児絵日記を描いています。