[7]帰らない夫|本当に大切なのはどっち?いつお産が始まってもおかしくない臨月の妻よりも甥っ子を選んだ夫

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前回のお話

アヤノさんは、トモヤさんの優しい人柄に惹かれて婚約。これから始まる幸せな結婚生活に胸を躍らせながら、結婚の挨拶をしにトモヤさんの実家へ向かいました。初めての彼の実家訪問に緊張していましたが、感じの良い義母と義兄家族にアヤノさんは一安心。義姉キョウカさんお手製のケーキを食べたり連絡先を交換したりして、楽しい時間を過ごしました。それからしばらくして、義兄ナオキさんの出張が増えたことをきっかけに、トモヤさんは第二子を妊娠したばかりのキョウカさんのサポート役として、義実家に駆り出されるようになります。アヤノさんもその後妊娠が発覚しますが、余裕のある妻を演じて不満などは言わず、トモヤさんを笑顔で送り出しました。しかしある日、甥のソウくんがぐずってしまい「帰りが遅くなる」とトモヤさんから連絡が。アヤノさんはトモヤさんを気遣って「夜遅いし泊まったら?」と声をかけると「明日の朝に帰る」と連絡がありました。しかし、トモヤさんが帰ってきたのは翌日の夜。しかも、つわりがひどくて食べられないアヤノさんに、キョウカさんお手製のケーキをお土産に持ち帰ってきたのです。

1話目から読む

日を追うごとに頻繁になる夫の帰省に、妻の心には次第に寂しさが募る

義兄ナオキさんの出張が増えたことをきっかけに、夫のトモヤは第二子を妊娠中の義姉キョウカさんのサポート役として、義実家に駆り出されるようになりました。ある日、ソウくんのお守りで帰りが遅くなったトモヤは、そのまま義実家に泊まることに。「明日の朝すぐ帰るね」と言っていたのに、結局帰宅したのは夜遅くでした。しかも、つわりがひどくて食事もままならない私に、キョウカさんお手製のケーキをお土産に持ち帰ってきて、悲しい気持ちになりました。

その日を境に、トモヤは度々義実家へ足を運ぶようになりました。ある時は「力仕事を手伝ってほしい」、またある時は「ソウが熱を出した」など理由はさまざま。日を追うごとに頻繁になっていく帰省に、私の心には次第に寂しさが募っていきました。

初めての妊娠なのに近くに頼れる人がいない状況は、私の心に大きな不安と寂しさを残しました。それからしばらくして、私は臨月を迎えました。ある日、自宅でゆっくり過ごしていると、トモヤのスマホに義実家から電話がかかってきました。どうやらソウくんが骨折したようです。その瞬間、お腹に痛みが走りました。「いててて・・・」と声を漏らす私に気付いたトモヤが「アヤノ、大丈夫!?」と慌てて駆け寄ってきます。

いつお産が始まってもおかしくない状況に直面し、一気に不安が押し寄せてきます。「不安だから今日は一緒にいてほしい・・・」涙目でそう訴えると、トモヤは私の目をしっかり見て「そばにいるから安心して」と言ってくれました。

トモヤの言葉にホッとしたのもつかの間、またスマホが鳴りました。「ごめんアヤノが心配だから・・・え!?わかった」慌てて電話を切ったトモヤは、「ごめん、1回ソウの病院に行ってくる、兄さんが帰ってきたらすぐに帰るから」と申し訳なさそうに言いました。

トモヤの言葉に、私は目の前が真っ暗になります。いつ赤ちゃんが産まれてもおかしくない妻と骨折した甥っ子、2つを天秤にかけて、トモヤは甥っ子を選びました。私って、トモヤにとって何なんだろう。悲しみを通り越して涙も出ません。その日、トモヤが帰ってくることはありませんでした。

初めての妊娠なのに、よりどころであるトモヤさんが自分を置いて頻繁に実家へ戻ってしまう・・・そんな状況では、誰だって不安にも悲しくもなります。しかも帰る理由が、同じく妊娠中のキョウカさんのサポートとなれば、なおさら複雑な気持ちになりますよね。これから生まれてくる自分の子どもよりも、怪我をした親戚の子を優先してしまったトモヤさん。本当に大切にするべきものが何なのか分からないままでは、父親になる資格はありませんよね。

※ストーリーはフィクションです。登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。

最新のコメント
  • なすび より

    これは ダメです。自分の奥さんが 第1でしょ。旦那さんが悪い。あっちは ほっときなさいよ。

  • 読者 より

    夫は勿論だけど妻も良くないわ。妊娠中なんて何があるか分からないんだから、義実家へ行くことを許可するべきじゃなかったんだよ。

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