大したことがない動きで骨折してしまったわが子。もしかして、骨が弱い?!最近の子ってこういう感じなの?そんな疑問について、医療法人藍整会なか整形外科理事長の樋口直彦先生にお伺いしました。

「こけたことがない」子が増えている現代の背景
最近、「少し転んだだけで骨折した」といったケースが増えています。
実際、整形外科の現場でも、昔より骨折しやすい子どもが確実に増えている印象があります。
その背景には、生活環境や遊び方の変化が大きく関係しています。
「転んだ経験」が少ない
今の子どもたちは、外遊びの時間が圧倒的に減りました。
昔のように走り回ったり、木に登ったり、飛び降りたりする機会が少ないため、「転ぶ」「受け身をとる」経験が乏しいのです。
整形外科ではよく「Jボード(スケートボードのような遊具)で骨折しました」という受診が多く見られます。
つまり、日常の中で小さなケガを経験せず、突然バランスを崩すような動きをする遊びで大きなケガをするのです。
このように、「こけ方を知らない」ことが、実は骨折リスクの一因になっています。
骨が弱くなる生活習慣
もうひとつの要因は、骨の材料が不足していることです。
カルシウムやビタミンDの摂取量が少なく、外で日光を浴びる時間も短い。
特にビタミンDは、太陽光を浴びることにより体内で合成されるため、室内中心の生活では不足しやすくなります。
骨は成長期に最も強くなります。
小学生から中学生の時期に骨の密度を高めておくことが、将来の「骨貯金」につながります。
乳製品・小魚・豆製品に加えて、サーモンやきのこ類も骨づくりに欠かせません。
骨折しやすい子の特徴
骨折しやすい子にはいくつかの共通点があります。
・やせ型で筋肉量が少ない
・運動習慣が少なく、バランス感覚が未発達
・食事量が少なく、偏食傾向がある
・屋外活動が少なく、日焼けを避けがち
筋肉は骨を刺激し、骨を強くする「天然のトレーニング装置」です。
したがって、運動不足=骨への刺激不足となり、骨の成長を妨げます。
家庭でできる予防法
・外で遊ぶ時間を意識的につくる
→転んでも立ち上がる経験が、身体感覚を育てます。
・カルシウム+ビタミンDのバランスを意識する
→牛乳だけでなく、しらす・きのこ・サーモンなどを日常に。
・スマホ・ゲーム時間を減らし、体を使う遊びへ
→鬼ごっこ、縄跳び、ボール遊びなどでも十分です。
医師に相談する目安
「軽く転んだのに腫れや痛みが強い」「数日経っても痛みが引かない」ときは、早めに整形外科を受診してください。
特に成長期の骨は柔らかく、見た目が腫れていなくても骨折していることがあるため注意が必要です。
最後に
昔は「よく転ぶけど元気な子」でした。
今は「転ばないけど、骨折する子」。
この違いこそが、現代の子どもたちの体に起きている変化です。
外で遊び、よく食べ、よく寝る。
そんな当たり前のことが、実は強い骨を育てる最良の方法なのです。
※記事の構成など一部に生成AIを使用しています。
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