[3]義母の遺産騒動|寂しい気持ち「娘に話があるから部屋から出て」娘たちにだけしっかり伝える遺産の話

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前回のお話

妻静江さんは完全同居している義母トキさんの介護をしていました。同居をし始めた頃はいろいろあったけれど、今は穏やかな日々を送るように。そんなある日、義母の食事を介助していると、突然「ありがとうねぇ・・」と言われ、サラッと受け流した静江さん。義母の死期が近いことを察し、夫吉雄さんに、吉子さんと吉美さんの義姉2人を呼ぶように頼むと、「介護は絶対手伝わないのに文句ばっかり」と憤る娘涼子さん。涼子さんをなだめつつ、「お父さんがもっとガツンと言ってくれたら」と本音が出る静江さんでした。思えば、20年前義父が亡くなったのをきっかけに義姉たちに詰め寄られて義母との同居がスタート。ケンカもしつつ仲良くなった義母が、不妊に悩む静江さんを庇ってくれたことも。「そんなお義母さんがもうすぐいなくなる・・」介護の大変さより寂しい思いがこみ上げました。

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「私、これをもらうわ」「何言ってんの!」義母の目の前で遺産の取り合い

義母との同居が始まったのは義父が亡くなった今から20年ほど前に夫が義姉たちに詰められたから。同居したての頃は、ケンカも多かったかれど、ぶつかりながらも仲良くなっていきました。
「そんな義母がもうすぐいなくなるなんて・・」と考えるだけで涙が止まりませんでした。

そして週末。
夫が呼んだ義姉たちがやって来て、眠っている義母の枕元へ。
「まぁ!お母さんこんなに痩せちゃって・・。静江さん、あなたちゃんと食べさせてるの!?」「こんな仕打ち・・あんなに世話になったくせに、まともに介護も出来ないの!?」義姉たちの文句を聞いて、「姉さん・・静江は毎日一生懸命やってくれてるよ」夫がそう言うも、「あんたは黙ってなさい!」とピシャリ。

そして、「ねえ、お母さん。前もって確認しておきたいんだけど、お母さんの着物とかってどこにあるの?娘が継ぐものでしょう」「そうよ。まさか嫁にあげたりしないわよね!?」とまくし立てる義姉たちに、「お義母さんのお着物類はこちらの桐箪笥にしまってあります」と言いながら、「最期に顔を見に来た・・というより、遺産の確認に来たのね」と心の中で呆れました。

すると、「私、これをもらうわ」吉子さんがそう言うと、「ちょっと姉さん、買ってに決めないでよ。私は独身で、結婚祝いや孫関連のお金をもらってないんだから、一番たくさんもらえるはずでしょ」と吉美さんも全く譲りません。「何言ってんの!私が長女なんだから優先に決まってるでしょ。あんたが結婚してないのは、あんたの勝手でしょうが」と吉子さんは当然のように反論しました。

そんな義姉たちのやりとりを見て、「まだ生きているお義母さんの前で、形見の取り合いなんてやめてほしいわ・・」と心の中で呟くと、「・・静江さん。2人に話したいことがあるから、ちょっとアンタは部屋から出てて」起き上がった義母がそう言い、「え?」と驚くと、「私が遺すものについて、娘たちに、死ぬ前にしっかり伝えておきたいから」と真面目な顔で言う義母。

それを聞いた義姉たちに「ホラ、さっさと出ていきなさいよ。嫁には関係のない話なんだから」「そうよ。お母さんだって、親子水入らずで過ごしたいに決まってる」と散々な言われようをした私は、「・・はい」と返事をして部屋を出ながら、「やっぱり、なさぬ仲の嫁とは違って、実の娘は特別なのかしらね・・」とちょっぴり悲しくなりました。

義母に義姉たちを会わせてあげてと吉雄さんにお願いした静江さん。やって来た義姉たちは「ちゃんと食べさせてるの!?」「介護もまともにできないの!?」と静江さんを責めるばかり。さらに遺産の確認ばかりしている義姉たちに静江さんが呆れていると、「2人に話したいことがあるからアンタは部屋から出てて」と義母に言われ、「やっぱり実の娘は特別なのかしらね・・」と寂しくなった静江さん、義姉たちなんかより、義母とよっぽど近しい間柄だと思います!!

※ストーリーは実話を元にしたフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:ポジョ
在宅デザイナーの主婦です。息子と夫、そして猫と暮らしています。

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