[11]離婚と秘密|不妊の妻を捨て、不倫相手と新たな人生をスタートさせた自分勝手な夫

アイコンイメージ
前回のお話

エリートサラリーマンで将来は家業を継ぐ予定のツカサさんは、母が選んだお見合い相手のカオルさんと結婚。しかし、跡継ぎを催促する母親と不妊に悩むカオルさんの板挟みにされたストレスで、不倫に走ってしまいます。不倫相手のチナツさんは、ツカサさんと同じ会社で働く派遣社員。メッセージのやり取りやデートを重ねるうちに、2人は惹かれていきました。ある日、ツカサさんはチナツさんから「赤ちゃんができた」と報告を受けます。突然の報告に驚きながらも、チナツさんの手を握って人目も気にせず喜ぶツカサさん。チナツさんが安定期に入ったので、妊娠の報告をしにツカサさんの実家へ向かいました。跡継ぎを授かったことで、ツカサさんの母親に妻と認められたチナツさん。ツカサさんは、これでやっと跡継ぎの催促をされなくてすむし、大好きなチナツとも夫婦になれる・・・と胸を撫で下ろしました。チナツさんが一人暮らしであることを告げると、ツカサさんの母親から「早々にウチに住みなさい、家のことも覚えてもらわないと」と言われ、早速家に入ることに。料理や掃除、洗濯など、妻としての仕事を一生懸命覚えていきました。チナツさんは、ツカサさんの母親だけでなく弟家族との関係も良好で、弟ソウさんの息子のカズキくんともすっかり仲良くなっていました。チナツさんの努力と人柄の良さに、ツカサさんはチナツさんのことがもっと好きになりました。

1話目から読む

慰謝料とマンションの名義を差し出すだけで離婚してくれるなら安いもの。

妻としての仕事を一生懸命覚え、母や弟家族とも分け隔てなく接するチナツの人柄の良さに、俺はますます惹かれていきました。ただ、チナツと一緒になるためには、カオルとすぐにでも離婚する必要があります。俺はカオルが住むマンションへ行き、不倫相手との間に子どもができたこと、どうしても子どもが欲しかったこと、でもカオルは妊娠できなかったことを理由に、離婚を申し出ました。

マンションからの帰り道、カオルのショックを受けた姿を思い出し、少しだけ罪悪感をおぼえました。でも、家業を継ぐ予定の俺にはどうしても跡継ぎが必要なんだから、不倫も離婚も致し方ないこと。それに、これで堂々とチナツと暮らせる。俺は、もうすぐ始まるチナツとの結婚生活を妄想し、鼻歌を歌いながら帰路につきました。

実家に帰ると、「おかえりなさい!」とチナツが笑顔で迎えてくれました。俺の帰宅に気付いたのか、遅れて母もやってきて、「カオルさんの様子は?」と聞きます。俺は「ちゃんと理解してくれると思うよ」と伝えました。

母は、カオルがすんなり離婚に応じてくれると思っていないのか、「離婚の条件ごねられても困るし、次は私も同席するわ」と言いました。俺はチナツのお腹を優しく撫でながら、「チナツと子どものこともあるし、分かってくれるよ」と母をなだめます。

カオルは意外にも冷静で、慰謝料とマンションの名義を引き渡すこと、そして二度と会わないことを条件に、離婚届に判を押してくれました。エリートサラリーマンの俺にとって、慰謝料は少ない額だし、マンションのローンも完済しているから、何も困ることはない。これで晴れてチナツと夫婦になれて、跡継ぎも産まれるし最高だ!俺は笑顔でマンションを後にしました。

それから数日が経ち、カオルとの離婚は無事成立。俺とチナツは、正式に実家で暮らすことになりました。「もうカオルさんとの離婚、決まったんだっけ?」というソウの問いかけに、「あぁ、離婚も成立したし、チナツとはすぐにでも籍を入れるよ」と答えました。

「今後もここに住むの?」と聞くソウ。俺は、「そのつもり、家業を継ぐ長男と跡継ぎだからな」と笑顔で言いました。「・・・そっか、おめでとう」ソウが何か考えているような気がしましたが、気のせいだと思い会話を続けました。そして数か月後、俺とチナツの間に、待望の第一子が産まれました。

チナツさんと正式な夫婦になるためには、カオルさんと離婚しなければなりません。ツカサさんはカオルさんが住むマンションへ行き、不倫相手との間に子どもができたことを理由に離婚を申し出ました。カオルさんは意外にも冷静で、慰謝料とマンションの名義を引き渡すこと、そして二度と会わないことを条件に離婚に応じました。それから数日が経ち、ツカサさんとカオルさんの離婚は無事成立。ツカサさんとチナツさんは、正式に実家で暮らすことに。そしてさらに数か月後、ツカサさんとチナツさんの間に、待望の子どもが産まれました。
カオルさんとすんなり離婚でき、子供も産まれて有頂天のツカサさん。幸せな結婚生活が続くといいのですが、そう簡単にはいかない気がしてなりません。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:和栗ぐり
長女みーちゃん、長男はーくん、1歳7ヶ月差の年子姉弟の日常を描いてます。

この記事をSHAREする