慰謝料とマンションの名義を差し出すだけで離婚してくれるなら安いもの。


妻としての仕事を一生懸命覚え、母や弟家族とも分け隔てなく接するチナツの人柄の良さに、俺はますます惹かれていきました。ただ、チナツと一緒になるためには、カオルとすぐにでも離婚する必要があります。俺はカオルが住むマンションへ行き、不倫相手との間に子どもができたこと、どうしても子どもが欲しかったこと、でもカオルは妊娠できなかったことを理由に、離婚を申し出ました。
マンションからの帰り道、カオルのショックを受けた姿を思い出し、少しだけ罪悪感をおぼえました。でも、家業を継ぐ予定の俺にはどうしても跡継ぎが必要なんだから、不倫も離婚も致し方ないこと。それに、これで堂々とチナツと暮らせる。俺は、もうすぐ始まるチナツとの結婚生活を妄想し、鼻歌を歌いながら帰路につきました。

実家に帰ると、「おかえりなさい!」とチナツが笑顔で迎えてくれました。俺の帰宅に気付いたのか、遅れて母もやってきて、「カオルさんの様子は?」と聞きます。俺は「ちゃんと理解してくれると思うよ」と伝えました。

母は、カオルがすんなり離婚に応じてくれると思っていないのか、「離婚の条件ごねられても困るし、次は私も同席するわ」と言いました。俺はチナツのお腹を優しく撫でながら、「チナツと子どものこともあるし、分かってくれるよ」と母をなだめます。

カオルは意外にも冷静で、慰謝料とマンションの名義を引き渡すこと、そして二度と会わないことを条件に、離婚届に判を押してくれました。エリートサラリーマンの俺にとって、慰謝料は少ない額だし、マンションのローンも完済しているから、何も困ることはない。これで晴れてチナツと夫婦になれて、跡継ぎも産まれるし最高だ!俺は笑顔でマンションを後にしました。

それから数日が経ち、カオルとの離婚は無事成立。俺とチナツは、正式に実家で暮らすことになりました。「もうカオルさんとの離婚、決まったんだっけ?」というソウの問いかけに、「あぁ、離婚も成立したし、チナツとはすぐにでも籍を入れるよ」と答えました。

「今後もここに住むの?」と聞くソウ。俺は、「そのつもり、家業を継ぐ長男と跡継ぎだからな」と笑顔で言いました。「・・・そっか、おめでとう」ソウが何か考えているような気がしましたが、気のせいだと思い会話を続けました。そして数か月後、俺とチナツの間に、待望の第一子が産まれました。
チナツさんと正式な夫婦になるためには、カオルさんと離婚しなければなりません。ツカサさんはカオルさんが住むマンションへ行き、不倫相手との間に子どもができたことを理由に離婚を申し出ました。カオルさんは意外にも冷静で、慰謝料とマンションの名義を引き渡すこと、そして二度と会わないことを条件に離婚に応じました。それから数日が経ち、ツカサさんとカオルさんの離婚は無事成立。ツカサさんとチナツさんは、正式に実家で暮らすことに。そしてさらに数か月後、ツカサさんとチナツさんの間に、待望の子どもが産まれました。
カオルさんとすんなり離婚でき、子供も産まれて有頂天のツカサさん。幸せな結婚生活が続くといいのですが、そう簡単にはいかない気がしてなりません。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:和栗ぐり
長女みーちゃん、長男はーくん、1歳7ヶ月差の年子姉弟の日常を描いてます。
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