[10]弟優遇母|自分は愛玩子と気づきながら搾取子の姉に何もしなかったことを謝罪する弟

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前回のお話

サキさんは弟シュウトさんばかりに甘く、自分には冷たい母親の態度に学生の頃から悩んでしました。見かねた父親が指摘すると「私が悪者みたいじゃない」とサキさんに文句を言う母親は、自分には興味がなく、それは一生変わらないのだと諦めたまま、サキさんは大人になりました。家を出て2つ年下の恋人アキラさんと幸せに暮らしていたサキさんは、アキラさんが実家を継ぐのを機に結婚し付いて行くことになりました。結婚式は挙げない選択をしたサキさんにお父さんは祝福の言葉とサキさんが選んだことなら、と納得してくれましたが、お母さんは不満だらけ。両親にアキラさんを紹介するために開いた食事会でも、アキラさんに対して収入が安定していないのかと失礼な態度をとる母親です。父親に制止されても「シュウ君に迷惑がかかる」「あてにされても困る」と言う母親に、サキさんはやっぱり母の関心は弟だけだと思うのでした。それから3年。家を出てからも交流のあるシュウトさん家族は、毎年のように遠いアキラさんとサキさんの家に遊びに来ます。シュウトさんを溺愛している母からシュウトさんが家に寄りつかなくなったのはあの嫁のせいなどとしょっちゅうサキさんにメッセージが来ることをシュウトさんに伝えると、母親はシュウトさんの妻リカさんにつらく当たっているようで、シュウトさんの方が母親と距離を取っていることがわかりました。

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冷たくしていた娘にしか連絡できない母

母からしょっちゅうメッセージが来ることをシュウトに伝えると、妻を見下す態度が嫌で実家とは距離を置いているのだと言いました。「リカちゃんごめんね。うちの母がイヤなこと我慢させてたよね?」私には、母がどんな顔でどんなことをしていたのか想像がつきます。だって、私にしていたことと同じだと思うから。リカちゃんは「シュウトが守ってくれるんで大丈夫です。」と苦笑い。

シュウトは「おれさ、リカが母さんに冷たくされててリカが悩んでて・・・それ見て姉ちゃんが同じことされてるの知ってたのに何もしなかったから・・・ごめん」と申し訳なさそうに下を向きました。

「お母さんもかわいそうな人だよね。」と私は言いました。「姉ちゃんがそれいう?ずっと、姉ちゃんのが大変だったはず」と驚いた顔でシュウトが言いました。「うん。でもね、」と私は母の様子を想像しながらシュウトに伝えました。

私は今すごく幸せ。でも、今のお母さんはきっと望むものを手に入れられてないから。だから寂しくて私に連絡してくれるようになったのだと思う。

「あれだけ冷たくしてた娘にしか連絡できないってちょっ哀れだよね」と私は言いました。ずっと心の中で悩んでいたころは、母の態度のことをシュウトと話す日が来るなんて夢にも思いませんでした。「でも自業自得ってやつでしょ」とシュウトは言いました。

自分でハッキリ言えるほどにサキさんが今とても幸せで本当に良かったです。シュウトさんは母親に自分だけが甘やかされていることに気づいていたのですね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:さいとうにこ
子育て、日常記録を描いています!
3児のママ

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