別々の家族と幸せな人生

子どもが生まれて3カ月経ちました。仕事から帰ると家の中は散らかっています。アユミは子どもの世話に必死だから仕方ないかな。それでもキッチンに置きっぱなしになった洗い物くらいは「申し訳ないけど食べた食器はシンクに入れておいてほしい」と言っても「昼間は私がひとりで子育てしてるの!できないってば!」と余裕のなさそうなアユミ。「ごめん。わかった。」僕がやれば済むことだから余計なことは言わない方がいいのかな。毎日、こんな感じです。

私がカイに妊娠の報告をすると、驚きと喜びで「え?妊娠?」と言ったあと、すぐに「どうしよう。ボク2カ月後にはアメリカだ。」と泣きそうな顔になりました。相変わらず海外出張が多いカイに「大丈夫だから。心配しないで」と笑顔で言いました。

私をギューッと抱きしめて「出産のタイミングでは絶対に帰ってくるから」と約束してくれたカイに、「無理しなくてもいいからね。」と笑顔で伝えた私ですが、アメリカにいる間も「良く眠ってね」「栄養があるものを食べて!」毎日のように気遣ってくれるカイに「そんなに心配しなくてもいいのに」と思いながら、思わずふふっと笑みがこぼれてしまいました。

約束通り、カイは出産ギリギリで帰国し、出産のときはずっと付き添ってくれました。そして生まれて来てくれた女の子を腕に抱くと、喜んで涙を流しました。すごく幸せ。

月日は流れ、息子ソウは4歳になりました。アユミは仕事復帰し、毎朝ソウを保育園へ送るのは僕の役目です。この日も仕事に出かけるアユミを笑顔で送り出しました。
ヒロトさんもマイさんも、それぞれの家族ができて幸せに暮らしています。 マイさんは入籍してから付き合うという仰天の結婚でしたが、幸せにすると約束してくれた通り、優しく誠実なカイさんはいつもマイさんのことを想って寄り添ってくれる人なので、本当に良かったですね。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
LGBTQ当事者、1児の母。
里帰り育児漫画やLGBTQを絡めた創作漫画を描いてます。
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