ある日、娘さんがブツブツ何かを唱えていた。
聞いているとどうやら「枕草子」を暗記している様子。
■枕草子とは
平安時代中期、天皇の后に仕えた侍女・清少納言によって記された日本最古の随筆作品。
■枕草子 第一段「春はあけぼの」
翌日に暗唱のテストがあるとの事で、「あってるかどうかチェックして!」と言われ、母は教科書を確認、娘さんはひたすら覚えた内容を発していました。
あ~。そういえば覚えた気がするな~。と思いつつ、一つの疑問が。
『これを覚えて何になるのだろう…』
確かに私の時代にもいくつも覚えた記憶があるのですが、今覚えているかと言われたら覚えてないし現代語訳も記憶喪失…(というか、覚えた記憶もないかも^^;)
あらためて、『なぜ暗唱するのか?』を少し調べてみました。
生徒側の意見としても「暗唱なんて無意味!」といった書込みもありましたが、
教える側のねらいとしては、
音読することで文章の響やリズムを感じ、伝統的な言語文化に親しみを持たせること
のようです。親しみをもってから内容を理解するという流れですね。
確かに、古文や漢文はリズミカルなところがあって、少し覚える分には楽しい!(全部覚えるのはツライけど…)
そういえば私が小6の頃、社会科の時間に「日本国憲法 前文」を暗記したなぁと思い出した。
■日本国憲法
参考までに…
日本国憲法 前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
あの頃は覚えるのに必死で、なぜこれを覚えなければいけないのかもわからず、内容も理解していなかった(今もあまりしていないかも)けど、今読んでみてもスラスラと読める。
当時、相当練習したんだなぁ…と遠い目。
日本国憲法と古文では全然違うけれど、改めてもっと自国のことを知らねば!と再認識しました。(古典や日本史にまったく興味を持たず生きてきております…)
社会科見学だって、学生の頃は『校外に出られる!』っていうだけでテンションあがって、内容は全然覚えてない…。大人になった今の方がむしろ行きたいくらい。
学生時代には見えなかったけれど、大人になってふと思い出し、意識して改めて意味を知ろうとした時でも遅くない!
結局は、何事も興味の持ちようですね。