子どもが食べ物をあまり噛まないままだと、どんなリスクがある?きちんと噛むように指導した方がいい?そんな問いについて、医療法人社団アーユスくろさき歯科院長の黒崎俊一先生からお伺いしました。

お子さまにとって「よく噛むこと」は、心身の健やかな発達だけでなく、将来の歯の健康を守るうえでもとても大切です。ところが、現代の食生活では、柔らかい食べ物が中心になり、噛む回数が少なくなり、早食いや偏食が咀嚼の機会を減らしています。
では、子どもが「しっかり噛まない」と、どんな悪影響があるのでしょうか?以下に具体的にご説明します。
1)顎の発育と歯並びへの影響
咀嚼は顎の骨と筋肉を育てる刺激です。噛まない子どもは顎が小さくなりがちで、歯がきれいに並ぶスペースが不足し、歯並びが悪くなる原因となります。結果的に、将来的な矯正治療のリスクも高くなります。顎の骨を切らなければ歯科矯正ができないケースもあります。
2)嚙み合わせの乱れ
左右どちらかばかりで噛んだり、前歯を使わず丸飲みする癖は、噛み合わせのズレにつながります。これにより、全身の姿勢に悪影響が及ぶこともあります。当院にお見えになる患者様で体が歪んでいる方は、ほぼ例外なく、噛み合わせが乱れています。
3)消化不良と栄養の吸収低下
噛まずに飲み込むことで、胃腸に大きな負担がかかります。とくに消化器官が未熟なお子さまにとっては、栄養の吸収効率が下がり、発育にも影響する可能性があります。
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