[9]義母からの手紙|返事の手紙を読み聞かせるも涙で進まない「私のことがわからなくなる前に伝えたい」

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前回のお話

シンゴさんの妻であるカスミさんが介護施設に入居した義母トミさんから受け取った手紙。そこに書かれていたのは、カスミさんと初めて会った時のことや、結婚、出産、そして子育てのことでした。その後物忘れがひどくなった義母の体調を心配していたカスミさんは、時々してくれる昔話を聞いて、「覚えてくれてるんだ」と嬉しくなったものの、ある日「誰!?知らない!!」と言われてしまい、義母は何も悪くないと思いつつショックを受けました。そんな時、シンゴさんに義母が介護施設のことを調べていると聞き、驚いたのでした。

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義母からの手紙[9]記憶をなくした義母は息子も孫ももうわからない

お義母さんが介護施設について調べているみたいだとシンゴさんに聞いて、驚くカスミさん。
「昔から、老後は施設に入るって言ってたけど、まさか本気とは・・」シンゴさんの言葉を聞いて、「もしや、認知症が進んで、私たちに迷惑をかけないように・・?」とカスミさんは考え込みました。

義母から手紙をもらった後、返事を書いて施設を訪れたカスミさん。
「お義母さんは、いつも私たちのことを1番に考え、大切にしてくれます。ここ数年、そんなお義母さんが変わってしまうようで怖かったけど」

「でも、それまでのお義母さんが消えて無くなる訳じゃないよね。手紙をもらって、そう思ったの。お義母さん、手紙ありがとう。私のことをそんな風に思ってくれてて嬉しかった」

「私も、お義母さんにどうしても伝えたいことがあって、返事を書きました。」
ここまで、書いてきた返事を読んでいたカスミさんは、「・・・でも・・・もう、」と言葉に詰まります。

「お義母さん・・・もう、私のこと分からないかな・・。ツヨシや・・もうシンゴのことも分からないし・・」そう話すカスミさんの目には大粒の涙が。

「私もちゃんと言いたかった・・・お義母さんから『私』が消えてしまう前に」
カスミさんは、目に涙を浮かべてそう呟きました。

※ストーリーはフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。

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