子どものやる気がでないときは、どんなアドバイスが効果的?今回は占い師として多様なアドバイスの経験を持つ、占いの館 千里眼の夕烏霧(ゆうぎり)先生にお話をおうかがいしました
■ はじめに
お子さんが「やる気が出ない…」「これできない…」と口にするのは、“本当にできない”わけではなく、「やったことがない」「失敗するのが怖い」といった理由が多いかもしれません。
そこで強い味方になるのが、「君なら絶対できるよ!」「やればできるから、やってみよう!」という「できる前提」での声かけ。
ほんの少しの工夫で、子どもが「できなかったことができるようになる瞬間」をたくさん味わえるようになり、そこから自信ややる気がどんどん育っていきます。
1.子どもが「できない…」と言う本当の理由
1-1「やらせてもらっていない」
周りの大人が先回りしてお世話をしすぎると、子どもは“やってもらうのが当然”と感じてしまいがちです。
よくある例
• いつも靴や靴下をはかせてあげる
• 服のボタンを全部留めてあげる
• スプーンやフォークの持ち方を細かく手助けしてしまう
こうした場面は、「自分でやる」チャンスを奪っている可能性大。
対策
(1)「まずはやってみようか!」と誘う
(2)「いやいや、君は天才だから絶対できるよ」などの前向きな確信を伝える
(3)ステップを細かく区切って成功体験を重ねる
たとえば、服を着る動作ひとつでも「上に持ち上げる→右腕を通す→左腕を通す」など順番を分解すると、自分でやりやすくなります。
1-2「失敗が怖い∕面倒くさい」
子どもの「できない…」には、「失敗したらどうしよう」という不安や「手間がかかりそうで面倒」という思いが隠れていることも。
対策
•「失敗してもへっちゃらだよ!やってみるだけで100点!」
•「疲れた」→「充実した!」と言い換えるだけで、がんばることがポジティブに映ります。
2.親の「なんで?」と子どもの「なんで?」はこんなに違う
2-1親の「なんで?」
例
•「なんでちゃんと勉強しないの?」
•「なんでこんな簡単なことができないの?」
実は・・・
• 親の焦りや「こうしてほしい!」という期待がにじみ出ていることが多い。
•言い方や状況によっては“命令形”に近く聞こえる場合も。
2-2子どもの「なんで?」
例
•「なんで空は⻘いの?」
•「なんでボールは丸いの?」
実は・・・
• 純粋な好奇⼼、探究心のかたまり。
• 知らないことを知るワクワクが原動力。
2-3ポイント
• 子どもの「なんで?」には、「なんでだと思う?」 と返して⼀緒に考える時間を持つのが◎。
• 親の「なんで?」は、どうしても説教や叱責に傾きがち。
• 「どうすればいいか、こうしたらどう?」と建設的な提案に変えてあげるとスムーズです。
3.ほめ方・フィードバックの極意
3-1「そもそも子どもは素晴らしい」
やる・やらない、できる・できない以前に、「あなたの存在自体が最高だよ」と伝えることが大前提。子どもは「自分は愛されているんだ」と実感できると、失敗を恐れずチャレンジしやすくなります。
3-2「サンドイッチ褒め」と「す・も・も」
サンドイッチ褒め
(1)まず褒める(パン)
(2)改善提案(具)
(3)また褒める(パン)
例
(1)「ここの色使い、ほんと素敵!(褒め)」
(2)「ちょっとだけここを工夫するともっとキレイになるかも(提案)」
(3)「やっぱりセンスあるね!(褒め)」
す・も・も(すばらしい∕もったいない∕もっとよくなる)
「す:ここはホントにすごいよね」
「も:ねぇ、ここ、ちょっともったいないな〜」
「も:こうするともっとよくなるよ!」
3-3言葉をポジティブにアップデート
•「疲れた」→「充実した!」
•「もうダメ…」→「ここからがチャンスだね!」
大人が普段から使う言葉を変えるだけで、子どもは自然と前向きになりやすいのです。
4.「神様に嫌われるよ!」という叱り⽅はどう捉える?
昔ながらの「神様が見てるよ」「そんなことしたら罰が当たる」という言い方は、⼀歩間違えると子どもを萎縮させたり、「神様なんていない!」と反発を招いたりするおそれがあります。
しかし一方で、「見えない存在が見守ってくれている」という考え方を伝えることは、親の一方的な価値観や偏った意見で叱るのではなく、子どもの感性や価値観、世界観を守りながら情緒を育てていくうえで有効です。
どう伝えるといい?
•「あなたを見守ってくれている存在がいるからこそ、一人じゃないって安心感があるんだね」
•「あなたが大切にされているように、周りの人や存在も大切にしていこうね」
このように、「何かに脅える必要がある」というよりは、“見えないところでも誰かが応援してくれているかもしれない”という前向きなイメージを添えると、子どもの心をやさしく支え、情緒を豊かに育てやすくなります。
ポイント
(1)脅しではなく、安心感を伝える
「神様に嫌われるよ!」ではなく、「見守ってくれているよ」というニュアンスで、子どもが安心感を得られるようにしましょう。
(2)親の価値観を押しつけない
「神様がいるかどうか」は、あくまで多様な捉え方があります。子ども自身の感性や想像力を尊重しながら、「そういう考え方もあるんだよ」と紹介する形にすると受け入れられやすくなります。
(3)子どもの好奇心や自尊心を肯定する
「もし本当にそういう存在がいるなら、何で見守ってくれるんだろうね?」などと問いかけ、子どもがいろいろ想像してみる時間を作るのもおすすめです。こうしたアプローチなら、子どもに恐怖や罪悪感を植えつけるのではなく、「見えないけれど確かに感じるものがあるかも」というワクワクする感覚を得られます。
子どもは自分なりの世界観や価値観を少しずつ育てながら、他者や周りの存在を思いやる心を伸ばしていくでしょう。
5 .フロー状態へ導く「成功体験」の魔法
フロー状態とは「楽しくて時間を忘れるくらい夢中になれるとき」のことです。
たとえば
・お絵かきに集中していて、気づいたら紙がいっぱいになっていたとき。
・レゴやブロックで遊んでいて、あっという間に夕方になったとき。
・鬼ごっこをしていて、「もっとやりたい!」と感じたとき。
・ゲームやパズルで「あともう少しでできる!」と頑張っているとき。
こういうとき、子どもは楽しくて、少しワクワクしながら集中していますよね。
それがフロー状態です。
「ちょっと難しいけど頑張ればできそう!」と思うとき、子どもは自然にフロー状態に入りやすいのです。
子どもは「できなかったこと」が「できる!」に変わる瞬間に、脳が刺激されて「もっとやりたい!」と意欲が加速します。これが“フロー状態”に近づくサイン。
• 小さなステップ→成功体験→「やればできる!」
• 失敗しても「おお、惜しい! でもやっぱり天才だね」とポジティブに反応すれば、「もう⼀度やってみよう!」とめげにくくなります。
最後に:親の「絶対できる!」が、子どもの未来をひらく
子どもは大人が思う以上に、親の何気ない言葉や表情を敏感にキャッチしています。
•「やっぱり無理だよね…」 は“無理”の思い込みに直結。
•「きっとできるよ。だって天才だもん!」 は“できる”の思い込みを強化し、自信がぐんぐん育ちます。
この“思い込み”が成⻑に⼤きく影響するのは間違いありません。ぜひ、日々の声かけを少しだけ意識して、星座別アドバイスを参考にしてみてください。
あなたの「絶対できる!」という一言が、お子さんのやる気と自信をぐんぐん伸ばし、気づけば「こんなことまで⾃分でやれちゃうの!?」と驚く⽇が必ず訪れます。
親子で⼀緒に「できる!」を積み重ねる毎日を楽しんでくださいね。