前回の話
サユリがずっとアユのことが好きだったという衝撃の事実を、タクマの口から告げられたアユ。サユリがタクマと付き合った理由は、アユのことを取られたくなかったからなのだと聞いてアユは驚いて言葉が出てきませんでした。サユリは顔面蒼白になり、うつむいていました。
親友の彼氏[13-1]親友が語った胸の内
「どうしてそんなこと、アユに言うの?」うつむいたままサユリが言いました。
「私はただ、アユのそばにいれたら良かったの!今までみたいにずっととなりで・・・いつも邪魔してるのは、タクマの方じゃん!」
タクマがサユリを見る目は、もう今までのような真剣な恋を伝えるものではありませんでした。
「ほーらアユ。これがサユリの本性だよ。」タクマはアユの肩を抱いて勝ち誇ったように言いました。複雑な状況で、アユがまず口にしたのは「サユリ・・・私の気持ち知ってて、それで」
「分かってたのに、邪魔したの?」サユリはアユがタクマのことを好きなことを知っていました。
アユの言葉を聞いて、サユリはようやく涙をいっぱいにためた顔をあげました。「だって!」
サユリが好きでもないタクマと付き合ったのは、アユが『タクマと付き合ったら?』と言ったからだとサユリは言いました。
「私、『いいの?』ってきいたじゃん!アユはいいって言った!だから私・・・タクマと付き合うって決めたんだよ!」
サユリはいつだってアユの言うとおりにしてきました。タクマと付き合うことも、アユの言葉に従っていただけだったのです。
タクマが言うように、サユリはアユとの仲をタクマに邪魔されたくなかったのです。
「だって私がタクマと付き合わなかったら、きっとアユはタクマと付き合って、私のことなんてどうでもよくなるんでしょ?」
「この旅行だって、アユがみんなと行こうって言ったから・・・」
親友として大好きだったサユリ。でもサユリの気持ちがわかった今、「どうでもよくなるなんて、そんなことない!」とハッキリとは言い切れなかったアユです。
次の話
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※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
LGBTQ当事者、1児の母。
里帰り育児漫画やLGBTQを絡めた創作漫画を描いてます。