子どもの噛み合わせや歯並びが気になる・・・一度見てもらった方がいい?
そんな悩みに、あかまつ歯科クリニック院長、赤松佑紀先生にお答えいただきました。
不正咬合とは?
近年、不正咬合(ふせいこうごう)が確認されるお子さんが増加傾向にあり、現代人の6割を占めるとの報告もあります(出典:Ito.G. et al.1983)。
不正咬合とは歯を支えている骨や上下のあごのアンバランスなどが原因で起こる、悪い歯ならびのことです。
これは、(1)顎骨の小型化、(2)歯の大型化によるところが大きいと考えられます。
主な原因は、食文化の発達による咀嚼機能の低下や、生活習慣の変革によると考えられ、これからも増加の一途をたどると考えられます。
一昔前は、不正咬合は遺伝的要因が半分、環境的要因が半分という表現がされていましたが、近年は生まれてからの環境要因が大きく関わってきていることもわかっています。
そのため、乳幼児期からの食生活、姿勢、習癖など、小児期への口腔機能の発達不全に注目され保険診療に口腔機能不全へのアプローチが導入されるなど関心が高まっています。
しかしながら、人類進化の過程であごは小さく、歯は大きくなっているのは事実であり、食文化が変化し、また生活スタイルも変化してきている中、不正咬合の予防は難しいです。
不正咬合があるかチェックしてみましょう
では、不正咬合が進むと、どういった不利益があるでしょうか?
添付している図にも記載しておりますが、不正咬合の大元は上あごの成長不足から始まります。そこから波及するとさまざまな症状を引き起こしてくる可能性が高まります。
一見関係ないように思われるかもしれませんが、以下のような症状があれば自分のお子さんに不正咬合がある、もしくは不正咬合になる可能性があるかもしれないとお考えください。
不正咬合チェック
・アトピーのような肌をしている
・風邪をひきやすい
・見た目で明らかに歯並びが悪い
・滑舌が悪い
・唇をなめたり、荒れたり、切れたりしやすい
・よく口内炎ができる
・いつもぼーっとして口を開けている
・寝ているとき口が開いている
・寝相が悪い
・落ち着きがない
・おねしょがとれない
・姿勢が悪く頭が前のめりになった猫背
・喘息がある
・扁桃腺が腫れやすい
・鼻がよくつまる
・アレルギーがひどい
・いびきをかく
これらは上あごの発育が不良なために引き起こされうる症状です。全てが原因ではありませんが、関係が深いとされています。
上記にたくさんあてはまる場合は、もしかすると不正咬合が原因かもしれません。
不正咬合は、あごが発育している6~10歳くらいからアプローチしていけば改善できる可能性が高いです。改善方法は歯科医院によってさまざまですが、上記症状のどれか、もしくは複数が当てはまるようでしたらお近くの小児矯正歯科医院に受診されてはどうでしょうか?人生の中で歯は長く付き合っていく大切なものですので、気になる方は一度相談してみましょう。
執筆者
赤松佑紀
あかまつ歯科クリニック院長
博士(医学)
顎咬合学会認定医
一般社団法人一隅会理事
朝日大学卒業後、京都府立医科大学歯科で研修医として入局。
その後、京都府立医科大学大学院感染免疫病態制御学大学院に進む。
そして大学院後、京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学助教(併任)と京都府立心身障害者リハビリテーション病院 歯科医長として過ごし、地元神戸であかまつ歯科クリニックを開業。
メディカルトリートメントモデルと呼ばれる歯科医療モデルで、予防歯科を基盤として全ての診療に幅広く従事している。
現在は、全国的に予防歯科医療を広めていくために、一般社団法人の理事として奮闘している。
あかまつ歯科クリニック
http://akamatsu-dental.jp