日差しが強くなる季節。子どもの日焼け対策はどうしたらいい?そんな疑問に、母親であり、看護師としても活躍されている一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会所属の公認心理師 伊藤優子さんにお答えいただきました。
日差しが強くなってくる時期の子どもの紫外線対策について
紫外線量は1900年の観測以降増加している【1】といわれています。
紫外線をたくさん浴びすぎてしまうと、シワやシミなどになりやすくなる、将来皮膚がんや目の病気をおこしやすくなるということがわかってきています。
紫外線をたくさん浴びないようにするためにできること
1)外での活動の時間帯・・・午前10時から14時くらいまでが紫外線の量が強くなるといわれています。その時間帯はできるだけ外の活動時間を短くできるかなど考慮してみてください。
どうしても外にでないといけない活動がある場合は、日陰をえらんでいただくことも大切です(日陰は日向の約50%紫外線減【2】)。日が当たる場所でも屋根やパラソルの下など、活動場所も考慮してみてください。曇りでも晴天の約80%の紫外線が出ているので対策は必要です【2】。
2)衣類の工夫・・・肌の露出が少なくなるよう衣類を選んでください。生地の色は濃い色のほうが紫外線を吸収しますが、熱中症の懸念から白か淡い色のもので織目や編目がしっかりしたもの【2】、また紫外線防止効果のある衣類も販売されていますので活用されても良いでしょう。帽子の着用も効果的です。その際できるだけつばの広いものの着用をおすすめします。またUV カット機能のあるサングラス着用も目の保護になるといわれています。
3)日焼け止めを使用する・・・子どもは大人と比べると皮膚は薄いため、外からの刺激に敏感に反応することもあるため、肌にやさしい日焼け止めをおすすめします。また、使用の際は腕などに少量を試してから使用されることもおすすめします。
子ども用日焼け止めを選ぶコツ
日焼け止めの主な成分として、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤というものがあります。赤ちゃん用や子ども用の日焼け止めには紫外線吸収剤を配合されていない製品が多く、肌にやさしいといわれています。ノンケミカルと表記されているものがこれにあたります。大人用の日焼け止めを使い始めて良い時期は、商品にもよりますが肌トラブルが軽減するといわれている3 歳以上からといわれていますが、子どもの皮膚は大人と比べて薄く敏感であることから、やはり子どもに使用する際は、低刺激、無添加、ノンケミカルなどの表記された肌にやさしいものを選んでいただく方が良いと思います。また、使用方法を確認して年齢指定や注意書きのあるものは、その内容をきちんと守ってください。
日焼け止めを嫌がって塗らしてくれないときは、どうしたらいい?
まずはどうして日焼け止めを塗ることが嫌なのか、理由をちゃんときいてみてください。
さまざまな理由があると思いますが、親や養育者が想いをちゃんと聞いてくれるという経験は、受容されることにより気持ちの整理ができ、自分自身で物事を考えられるようになる、また自己肯定感も高まり、心の強さや、やさしさにも繋がっていくことになると思います。
日焼け止めが無香料であっても独特なにおいが嫌いな子の場合は、最近は香り付きの日焼け止めも販売されています。
日焼け止めの肌への感触も製品によって異なりますので、においや感触などの使い心地を確認するために、店頭のテスターやサンプルを試してから購入されても良いでしょう。
塗る行為に不安がある場合は、親や養育者が先に自分に塗って、これは安全で安心できるものなんだよ、ということをみせて不安を軽減、解消することも大切です。
塗り忘れを防ぐためにどう話したらいい?
最初は親が塗っても、塗り直しはお子さん自身でおこなってもらったり、頻繁に外出するようなお子さんは、自分で日焼け止めを塗るようにお願いすることもあります。ですが、約束していても、なにかに夢中になっていたりすると、つい塗り忘れてしまう場合もありますよね。
約束を忘れて日焼け止めを塗り忘れた場合、塗ってないの?どうしてちゃんと塗らないの?ダメでしょ!と言ってしまいがちですが、まずは子どもに、塗り忘れてしまった理由を聞いてみてください。それから日焼け止めがどうして必要なのかの理由を、具体的に冷静に伝えてみてください。
また、約束の大切さを思う親の気持ちも子どもの視線に合わせて伝え、もう一度、約束ごとを子どもと一緒に決め直してみてください。約束ごとを決める際には、子どもの個性に応じた段階があるので少しずつ、その子が出来ることから約束ごとを決めていってください。
言葉で伝わりにくい子どもの場合は、視覚化(紙に文章やイラストを描く)することで、伝わりやすくなる場合もあります。この時に、何時に塗りましょうと具体的に時間を決めて、更にその時間も紙に記入することで、より理解しやすくなります。
約束が守れたら、しっかり褒めてあげてください。「出来た」という行動を認められることは成功体験となり、自分に自信がつき自己肯定感も高くなります。
また、親も子どもとの約束がある場合、きちんと守るようにしてください。お互いが約束ごとを守ることができたら、より信頼関係が深まります。
まとめ
外での活動の時間帯や衣類の調整や帽子やサングラス着用の紫外線対策グッズを使うことや、心身ともに安心できる肌に合った日焼け止めを用いることも大切だと思います。紫外線対策をして、これからの季節を安心して楽しんでください。
出典:
【1】気象庁ホームページ
【2】日本臨床皮膚科学会・日本小児皮膚科学会の「保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策について」
[執筆者]
伊藤優子
看護師、公認心理師、介護支援専門員
[プロフィール]
看護師として約20年以上キャリアがあり、特に精神科領域の関りが深い。現在も訪問看護師として働いている。
子どもが幼いとき、4歳半まで発語がなく、発達障害の診断は受けていないがグレーゾーンだったこともあり、親としての葛藤や本人自身も生きづらさを抱えていた経験を持つ。これらを踏まえ、現在も発達障害について日々学びを深めている。
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会に所属しており、タロットカードやインナーチャイルドカードを用いてのカウンセリングは「気持ちが楽になった!」「前向きになれた」と、多くのクライエントさんからお声をいただいている。
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/