【12】高3娘「すべてを出し切った。東大受験。」地方公立塾なし娘の東大合格物語|ママ広場オリジナルマンガ

前回の話

地方公立塾なし娘の東大合格物語【12】高3娘「すべてを出し切った。東大受験。」

当日(1日目)の朝は、娘の受験している間に並行して保護者説明会や住まいの相談会があったので、一緒に試験会場(駒場キャンパス)の前まで行きました。そして、開門の時間まで、最後の見直しに教材を開く娘をYouTuber達の撮影から守りつつ、門の中に入って行くのを見届けました。
2日目は、試験終わりの娘にねぎらいのケーキなどを調達しに行ってから、会場まで迎えに行き、試験終わりの娘が出てくるのを待ちました(駒場の駅は、私と同じような親御さんや、そのまま受験生を引率して帰るらしい遠方の学校や塾の先生などでごったがえしていました)。

2日間の試験に全力を使い果たした娘は、ひどく疲れた顔で門を出てきました。

そして、なぜか私のいる場所ではない方へフラフラと歩いて行きました。
「え?どこに行った?」と思い、娘が歩いて行った方を見ると、なんと娘の高校の先生がいらしていました。

娘の他にも東大を受けた同級生達が何人かいたので、激励に来てくださっていたようでした。
1日目の試験終わりは見かけなかったので、1日目は本郷キャンパス(理系の試験会場)へ行かれていたのかもしれません。でも、先生とお話しているうちに、娘に少し笑顔が見えたので、私も先生のもとへ行って、ご挨拶してからホテルに帰りました。

ホテルの部屋に戻って、買っておいたケーキでささやかなお疲れ会をしましたが、とにかく疲れた娘は食事もそこそこに爆睡。

私も、「とにかく無事に試験を受けさせることができた!」という安堵感で、やっぱり爆睡してしまいました。
「もしかしたら試験の翌日に住まい探し(内見等)に行くかもしれない」と思い、試験終わりの日も1泊するようにホテルを予約していたのですが、これは、あとから娘に感謝されました(試験終わりは想像以上に疲れていて、新幹線で家まで帰る気力体力が残っていなかったそうです)。

こうしてやっと、東大の試験が終わりました。

帰宅後は、前期がダメだった場合に備えて後期試験の準備をしたり、共通テスト利用で合格した私立の入学金を振り込んだりしながら、合格発表を待ちました。
私立の併願校受験については、学校から「第一志望の試験(国立前期)の前に、私立受験のために上京するのは、感染リスクも高まるし、疲れて体調を崩しかねないので極力控えてほしい。」と言われていました。
確かに、第一志望の試験の前に、交通費や宿泊費をかけて何度も上京するのはリスキーなんですよね。かといって、一度の上京で済むようにと、私立を全部受け終わるまでずっとホテルに滞在し続けるのも大変です。これは、遠方の大学を受験する受験生に共通する悩ましい問題だと思います。
でも、東大を受けるのに、まったくセイフティーネットを張らないということも、浪人したくなかった娘にとってはリスクでしかありませんでした。
「浪人してでも難関国公立へ」という学校の方針と、「今まで全力で勉強してきたからこそ、現役で決めたい。仮に浪人したとしても、もうこんなには勉強できない。だから私立も受けたい。」という娘の希望の間で、私もどうするのがいちばん良いのか、悩みました。
でも、娘の「全力ぶり」をずっと見てきたので、「確かにもうこれ以上は勉強できないだろうな」と思い、そこは学校と戦いました(笑)。





折衷案として、「私立はすべて共通テスト利用方式で受ける」ということにしました。結果として、併願した私立のすべて(4校)を共通テスト利用でおさえることができたので、比較的安心して東大受験に挑むことができました。私立の学費を考えると親はまったく安心ではありませんでしたが、娘の安心という意味では、やっぱり私立も出願しておいて良かったと思います。

コロナ禍と大学受験改革に翻弄されて、前例のない難しさを感じながらの受験でしたが、試験が近づいた子どもに親がしてやれることは「安心して試験に集中できる環境づくり」しかなく、試験当日は、「無事に試験会場に送り出す」ことが最大のミッションでした。
子ども達の受験期で(合格発表以外で)私がいちばんホッとしたのは、「試験日の朝、子どもが無事に試験会場に入ったことを確認したとき」だったと思います。

最終話へ続きます

※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
[脚本]Maman [作画]dechi [編集・監修]ママ広場編集部

Maman
夫と大学生の息子・娘の4人家族。
学習教材制作業の傍ら、子どもの学習習慣の作り方や学習計画の立て方を伝えながら、スケジューリング(時間管理)とジャーナリング(書くこと)で幸せな親子を増やす発信を続けている。

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