前回の話
部活の先輩が現役で東大に合格したことで、だんだんと「自分にも目指せるのかもしれない」という想いを強くしていった娘。
「心理的に東大が近くなった」ということが、高1での大きな収穫でした。
地方公立塾なし娘の東大合格物語【10】高2娘、大切なのは「自分と志望校との距離」
東大や医学部をはじめとする全国レベルの難関大に合格していく部活の先輩方に憧れたこともあり、娘は、高校でも、校内の定期考査では学年1位を取り続けていました。
模試になると、校内で3位とか4位とか・・・つまり1位ではなくなってしまうこともありましたが、大学受験(特に一般受験)においては、校内順位よりも「自分と志望校との距離」のほうが大事なので、校内順位はあまり気にしていませんでした。
ただ、娘の高校では、「うちの学校でだいたい校内何位くらいまでであれば、東京一工、医学部などが射程圏内」という目安があったので、そのラインは下回らないように頑張っていたと思います。
高校2年生という学年は「中だるみ」と言われたりしますが、娘の部活は高2の冬の全国大会で引退する決まりだったので、部活においては集大成の学年で、たるんでいる暇がなかったという印象です。
平日が忙しいのはもちろんのこと、週末は部活か模試か、という感じで、とにかく休みがありませんでした。
そんな中、模試を受けると、東大にA判定が出るようになったので、志望校として現実的に考えるようになっていきました。しかし、それでもまだ娘は
「この時期の判定は鵜呑みにできないよね・・・。」「浪人生も入ってきたらA判定は出ないと思う・・・。」などと、なかなか覚悟が決まらない様子でした。
東大を第一志望に据えるいうことは、落ちれば旧帝(ほかの国公立で後期試験のない大学・学部なども)も逃すということを意味するので、娘にとっても親にとっても、「覚悟が要ること」だったんですよね。
学校のカリキュラムは、それに乗っていればある程度の力はつきそうでしたが、東大に現役で合格するには学校のカリキュラムだけでは難しいと判断し、(第一志望に決める勇気はまだないものの)インターネット等で情報を集め、必要に応じて市販の参考書や問題集なども購入して補強に努める、ということはしていました。
このときも、娘には自分でやりたい勉強プランがあったので、塾(対面・オンラインとも)に通うことは考えませんでした。
ただ、このときから年間計画が必要になったので、娘のスケジューリングもA4 裏紙から手帳にグレードアップ(笑)。
私にできたサポートは、手帳を用意してあげることくらいでした。ウィークリーバーチカルを基本とした、年間計画を立てられるページのある、ちょっとオシャレな手帳をプレゼントしたのです。
それまでA4 裏紙と学校から配られる手帳しかまともに使ったことが無かった娘は、オシャレな手帳にテンションが上がったらしく、いそいそと付箋を使って、「何の問題集をいつまでに仕上げるか」という年間計画を立てていました。
中学1年生の最初の定期テストのときから培ってきた、(1)全体のタスク量の把握→(2)付箋でのタスク出し→(3)スケジュールに落とし込む というスケジューリング方法に加えて、年間計画を立てるということが、このときできるようになりました。
私のやった受験サポートと言えることは、(1)勉強計画用の手帳を用意したこと と、(2)情報収集(インターネットや書籍・Blogなどで東大合格者の受験期の年間スケジュールを調べ、娘に共有するなど)、あとは、(3)ホテル予約 ですね。
国立前期日程の試験日の前後は、地方から出向く受験生で近隣のホテルが埋まってしまうので、ホテルを調べて、1年前から予約できるホテルについては、高2の2月のうちに予約しておきました。
東大入試に関しては、推薦という選択肢も一応も考えてはみましたが、東大の推薦は、書類、面接、共通テストの点数で判断されるので、結果が出るのは2月の中旬です。しかも私立の指定校推薦などとは違って普通に落ちるリスクもある推薦なので、2月半ばまで待って落ちたらダメージが大きく、国立前期試験に悪影響を及ぼしかねないということで、「東大を受けるとしたら一般で挑む」ということに決めました。
部活では毎年全国大会に行っていましたし、評定も4.9くらいはありましたが、東大の推薦にチャレンジするには実績として弱いと思いましたし、将来のビジョンがはっきりしていない娘にとって、そもそも「大学で何を学びたいか」を詳しくプレゼンするのは無理がありました(笑)。
このように、「東大を第一志望に据える覚悟はまだないけれども、(親子ともども)だいぶ現実的に考え始めた」というのが、娘が高2のときの状況でした。
続きます
※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
[脚本]Maman [作画]dechi [編集・監修]ママ広場編集部
Maman
家庭教育コンサルタント
夫と大学生の息子・娘の4人家族。
家庭教育コンサルタントとして、子どもの学習習慣の作り方や学習計画の立て方を伝えながら、スケジューリング(時間管理)とジャーナリング(書くこと)で幸せな親子を増やす発信を続けている。
※個別コンサルは、東大合格をお約束するような、受験に特化したものではありません。