前編の話
子どもが髪の毛を抜いたり、ずっといじっているのが気になる・・・そんな状態になっていたら要注意?!
子どもの悩ましい症状について、栄養解析医であり、栄養療法専門のクリニックを開院されている医療法人回生會 みぞぐちクリニック院長 溝口徹先生に、前後編にわたってお答えいただきました。今回は後編です。
前編では抜毛症の症状と原因についてお話をしました。
後編は解決策や治療方法についてお話しします。
抜毛症は治るの?解決策は?
お子さんに抜毛症の傾向が見られる場合は、不安や緊張に感じていることを周りに言えず、自身の中に溜めてしまい解消しきれない気持ちが行為に現れていると考えられます。抜毛はお子さんからのSOSのサインなのです。
改善への第一歩はまず、そっと寄り添って大きく受け止めてあげる、本人の話を聞いてあげることが大切です。
一人でため込まず我慢しなくていいと伝えることも大切です。
毛を抜いてしまう行動を注意したり止めたりするのは、抜毛を通して表しているSOSを否定することになるので、本人は自分を理解してもらえていないと感じてしまいます。
抜毛をしてしまってもそっと見守ってあげ悩んでいる事はないか?どういう時に抜きたくなってしまうなどをていねいに聞いてあげましょう。
第三者が介入した方がスムーズにいく場合もあります。
お子さんとのコミュニケーションに不安がある場合は、スクールカウンセラーなどにご相談いただくことも検討するといいでしょう。お子さんのトラブルでは、親御さん自身が行き詰まってしまわないことも治療の大切な要素です。
治療はどんな方法があるの?
抜毛症は気持ちの不安定さから発症するため、治療にはSSRI剤などの向精神薬がつかわれることもありますが、副作用の心配もあり慎重な調整が必要です。
また、同じ環境・状況下にいてもストレスや不安に感じる子、感じない子がいます。傍から見れば気にするほどではないことも、必要以上に不安やストレスに感じてしまうその差には、栄養の不足が関係していることがあります。
特に不安感や自己肯定感の低さは神経に必要なビタミンB不足、お友達とのコミュニケーションには脳機能に必要なDHA、イライラしてたりさまざまなことに過敏になりやすくなるのは、自律神経が関係する糖質の多さなどが原因で起こる場合もあります。
通常の血液検査では病名がついてしまう状態を判断する為、異常なしとされる場合でも、栄養療法の血液検査をしてみると、病名がつく程ではないものの、栄養不足があり体の機能がうまく働かない小さなSOSをみつけることが出来ます。
副作用の心配がないため安心して受けていただけることも栄養療法の魅力です。精神科や小児科、カウンセリングに加え、栄養療法も検討いただけると解決策の選択が広がるかもしれません。
お子さんが日々健やかに過ごせるよう、心配りをしてあげたいですね。
執筆者
溝口 徹先生
みぞぐちクリニック院長
経歴
神奈川県生まれ、1990年 福島県立医科大学卒業。
横浜市立大学医学部付属病院、国立循環器病センター勤務を経て、2003年に日本初となる栄養療法専門クリニック新宿溝口クリニック(現:みぞぐちクリニック)を開設。
精神疾患、発達障害、不妊治療、低血糖症、疲労感、自律神経失調症など栄養不足が関係している悩みに幅広く対応している。通常の血液検査の見方とは異なり、病気の有無はもちろん栄養が不足する事で起こる小さなSOSを見つける事が出来きる。治療は薬剤を使用しない為、妊婦さんやお子様にもおすすめです。
みぞぐちクリニックHP