熱中症になりたくないからエアコンの効いた部屋にしかいない!は危険かも。
今回は子どもの熱中症について、新見正則医院院長、新見 正則先生にお伺いしました。
脱水症状ってどんな状態?
脱水症状とは水の不足です。
水分不足に伴ってミネラル(電解質)の異常も呈します。
原因は水の喪失で、嘔吐や下痢で水分を失うと脱水状態になります。
しかし、失った水分とミネラルを補えば通常は大事に至りません。
また熱中症で汗によって水分を失うと脱水状態になります。
暑すぎたら危険!でも、避けすぎるのも…
これからの季節は熱中症対策に気を配りましょう。
暑さはストレスです。ストレスに対する対応はふたつです。
命に関わるストレスからは逃げる。
命に関わらないストレスにはちょっと立ち向かうことです。
ストレスから逃げてばかりいては、ストレスに弱い体になります。
熱中症警報が出ているときは外で遊ぶことは控えましょう。
熱中症注意報であれば、しっかり水を飲ませて、時々は木陰で休みながら、そして外で遊ぶことで熱中症に対するレジリエンスが高まります。
親はちょっと離れて子どもをしっかりと観ておくことが必要です。
そして「お水を飲まずに遊ぶと危ないよ!」と言い含めて、「お友達の具合にも気を配るんだよ。」と言い添えることも忘れずに。
暑さに堪える能力を暑熱馴化と呼びます。
ちょっとした暑さを含めたストレスには、挑戦してレジリエンスを高めることが子どもの成長にも必要なことで、レジリエンスは子育てにおいて大切なキーワードです。
子どもがいつもと違う?そんな時は要注意!
こどもは基本的に元気であれば問題ありません。
「元気」の基準は、大好きな遊びを与えて、いつものように遊んでいればOKです。大好きな遊びに興味を示さなく、ぐったりしている時は要注意です。
いつもと違うと親が感じる時には医師の指示を仰ぎましょう。
困った時は、遠隔診療も活用しましょう!
新型コロナウイルスの感染でお子さんの生活環境もいろいろと制限されて、普段とは違う生活が続いた3年間でした。しかし辛いことばかりではありません。遠隔診療が解禁され、一気に普及しました。
お子さんがいつもと違うと感じた時、以前は子どもを診てくれるクリニックをリアルで受診する必要がありました。ところが遠隔診療が普及した現在は、まず遠隔診療でこどもの状態を説明し、そして医師の指示を仰ぐことが可能になりました。
是非とも遠隔診療をご利用ください。
そして日頃から遠隔診療を受け付けてくれるクリニックを知っておくことも大切です。
執筆者
新見正則先生
新見正則医院院長
経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。
新見正則の生き方論は以下の最新刊も参考にしてください。
『しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通』