気がついたら、子どもが真っ赤に日焼け。こんな時どうしたらいい?
子どもが真っ赤に日焼け!こんなときは一体どうしたらいいの?今回は、そんなお話を、漢方薬を扱う外科医として活躍される新見正則医院院長、新見正則先生にお伺いしました。
太陽光は健康のためにも大切、でも浴びすぎは要注意!
まず、太陽の光を浴びるとビタミンDなどの合成が進みます。
がんや難病・難症を扱う当院では、当院から処方する薬剤の他に、日常生活の改善として、散歩などの運動、日光を浴びる、そして肉塊を食べることを勧めています。
しかし、いくら日光浴がからだに良いといっても限度があります。
一度にたくさんの日光を浴びると真っ赤に日焼けします。日頃、太陽から隠れている部分を突然長時間、太陽に当てるので真っ赤になったり、水ぶくれになるのです。
太陽の下で長時間過ごす場合はしっかりとした紫外線対策も必要だと考えます。
とはいえ、僕も子どもの頃、海や川で遊んで真っ赤に日焼けして母を驚かせた記憶があります。この原稿を書きながら急に記憶が戻って来ました。
気がついたら、子どもが真っ赤に日焼けした場合
日焼けをしたらまずは冷やすことが大切ですが、その後のケアは漢方薬も選択肢の1つとして考えてみるのもよいでしょう。
真っ赤な皮膚では越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)が有効です。
水ぶくれになることを防止してくれます。
また、水ぶくれになった皮膚にも越婢加朮湯が有効で、水ぶくれが拡大することを防いでくれます。越婢加朮湯には石膏という生薬が入っていて、これが熱を冷ますのです。
そして麻黄という痛み止めの効果がある生薬も含まれています。
1日に3包までは飲めます。これは大人量ですが、中学生以上であれば同じ量で問題ありません。皮膚の赤みが引くまでの数日間飲むと良いでしょう。
越婢加朮湯は薬局でも購入可能ですが小児の場合は内服量になどは医師や薬剤師に相談してください。
真っ赤になったり、水ぶくれになっている場合、越婢加朮湯で対応可能ですが、元気もなくなっている時は必ず小児科を受診してください。
元気や食欲がない時に自己判断で越婢加朮湯だけで対応することは控えてくださいね。
普段の生活で浴びるような日光浴であれば、肌が真っ赤になったり、水ぶくれになることはありません。
日頃から太陽に当たっている手や顔にはそんな症状は起こりませんよね?
これも日頃から僕がお話しているレジリエンスのひとつです。
皮膚にもレジリエンスがあり、微妙なストレスにボツボツと曝されていると強くなるのです。
しかし、そんなレジリエンスによる復元力を超えて太陽に当たるとちょっと痛い目にあいます。
日光に全く浴びないという選択ではなく、日頃から紫外線対策をしながらも適度な日光浴を心がけてみてください。
執筆者
新見正則先生
新見正則医院院長
経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。
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