あえて「時刻表」推します!子どもの頃に読んで欲しいおススメの本は?新見正則医院院長、新見先生に伺いました!

子どものころに読んでいた本、ハマった本、おすすめの本について、今回は本の執筆もされている、新見正則医院院長、新見 正則先生にお伺いしました。



読んでいた本は「時刻表」

僕は1959年生まれです。
僕の子どもの頃は昭和30年代から40年代で、敗戦から立ち直った日本が高度経済成長を迎え、貧乏な家庭も、裕福な家庭も、それぞれに成長を肌で感じることができる時代でした。
そんな時代を生きた僕ですが、小学生の頃はちょっと貧乏で、家族で旅行をした経験がありません。
そんな僕が親から与えられて読みふけったものが時刻表でした。

JRに分割される前の国鉄の時刻表が基本で、巻末に私鉄やバスの時刻表も載っていました。飛行機の時刻表も数ページあったように記憶しています。
そんな時刻表で仮想の旅行気分を味わっていたのです。

最近はスマートフォンが普及し、どこに行くのもスマホで検索すると最短の経路や、最安値の交通手段、そして楽ちんな移動手段を提示してくれます。
もの凄く楽ですが、時刻表を紐解いて、自分で旅程を立てる楽しみがなくなったと思っています。
小学校の頃はそんな時刻表を一生懸命読み込んでいました。
地図を読むことの練習にもなりました。時間と空間が頭の中でつながり、三次元の世界を移動することはとても愉しいひとときでした。

仮想旅行が現実になっても

中学生から高校生になると、わが家にも金銭的な余裕ができて、時刻表での仮想旅行が現実に行えるようになりました。
そして大学生の時は、ヨーロッパの時刻表をリュックに入れて、その日暮らしのひとり旅を楽しんでいました。
そんな経験が、新しいものに挑戦する自分をつくったと思っています。

時刻表を与えてくれた親に感謝しています。
そして最初に時刻表の読み方を教えてくれた父親に感謝しています。
スマートフォンの普及と進歩によって、検索することは本当に便利に、超楽に、そして正確になりました。
時刻表や地図を買って読むことはほとんどなくなりました。

もちろん、そんな時代に則した手段を使いこなせることは大切な技能です。
現在を、そして将来をより良く生き抜くためには必要なことです。
しかし、あえて、時刻表や地図を読み込む訓練をすることは頭の体操になると思っています。
今でも時刻表は販売されています。

そして、記載方法は50年前とあまり変わっていません。
そんな時刻表を子どもに与えてみるのもとても良い教育だと思っています。
僕もときどき、昔の気分を味わうために時刻表を買って読んでいます。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

経歴
1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャートコロナ後遺症漢方薬』はAmazonでベストセラーに。

新見正則医院ホームページ
https://niimimasanori.com/

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