どうして勉強しなくてはいけないの?それは「ものを学ぶ方法を学んでいる」ということ。新見正則医院院長、新見先生に伺いました!

どうして勉強しなくてはいけないの?と聞かれたらあなたはどう答えますか?今回は新見正則医院院長、新見正則先生にお答えいただきました。



どうして勉強しなくてはいけないの?と聞かれたらどう答えますか?

「勉強しなさい!」と諭すと、「そんな科目なんの役に立つの?」と言われたりします。大切なことは、初等教育は特にものを学ぶ方法を学んでいるのだと伝えることです。
これが大切で、実際に大人になった僕達が実感している、生きていく上で必要な科目は、国語と簡単な算数だけだとおもいます。では、なぜ国語、算数、理科、社会、音楽、体育などがあるかというと、ものを学ぶ方法を学んでいるのです。

ものを学ぶ方法を身に着けるとひとりでいろいろなことが学べるようになります。そしていろいろな教科によって、学び方が異なるのです。いろいろな教科の得意不得意が現れてもそれでいいのです。得意な科目はもっと伸ばす努力を、不得意な科目は、なんとか学ぶ方法を探ることが大切なのです。それが将来の学ぶ方法の基礎になります。唯々覚えるだけの勉強は実はあまり大切ではありません。

世の中は変化しています。昔は成人前後までに身に着けた技能でその後の数十年を生き抜くことができました。そして、ひとつの仕事をやり終えて、定年してその後それほど長い時間は残されずに、そしてお迎えが来ました。

ところが、時代は変化のスピードを増し、将来が予測できない世の中になりました。変化のスピードがゆっくりだった時代は、先輩の助言は相当の確立で正解でした。一番の先輩は両親、そして学校の先生、そして世の中の先達です。ですから、親や学校の先生が勧める進路を選ぶと多くの場合生き抜けたのです。

しかし、先輩の助言が当てにならない時代になりました。親の助言も場面によっては役に立たないことがある時代です。そんな時は時代に即応して変化する必要があります。自分を変えていく必要があるのです。一生学ぶことが必要になります。そんな学ぶ方法の基礎を学ぶことが初等教育です。

ご両親もお子さんと一緒に学ぶ方法を学んで下さい。
変化できる自分をお子さんの手本となるように見せて下さい。
親が変化への努力を惜しんでいては、子どもは変化を恐れます。時代に即応した人材が必要とされる世の中です。一芸に秀でて、その一芸で生き抜ける幸運なひとは希になります。

あなたのやる気がでたきっかけはありますか?

自分のお話をします。僕は子どもの頃中耳炎を頻回に患ってプールに入れず、まったくの金槌でした。それはもの凄いコンプレックスで子どもには物心つく前からスイミングを習わせました。そして4泳法が泳げるようになった6歳の娘に「パパも泳ごうよ!」と誘われました。そこで、ふと思ったのです。
これから「勉強しろ!」と言うことも増えるだろう。まず見本を見せようと思って、水泳を習い始めました。50歳の時でした。
そして懸命に水泳を習い、次にジョギングを始め、自転車に乗るようになり、2年後にはオリンピックの距離のトライアスロン(スイム1.5km、自転車40km、ラン10km)を完走しました。そしてその1年後に日本で一番長い佐渡トライアスロン(スイム3.8km、自転車190km、そしてフルマラソン42km)を14時間18分で完走しました。三種目ともゼロからの挑戦で、幸い娘もキッズ部門のトライアスロンを一緒に挑戦してくれました。その後は、勉強しろ!と諭すこともなく、いろいろなことに興味を持って、成人しました。懐かしい思い出です。
学びはいつから始めても遅いということはありません。お子さんのお手本となるような自分を目指し、今からでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

[経歴]
オックスフォード大学医学博士。
外科医×免疫学者x漢方医の肩書きを持つ、レアな医師として活躍中。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。院長を務めるクリニックでは、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアを基本処方にして漢方薬を加えて、がん疾患や難病・難症に対応している。
著書「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」も好評発売中。

新見正則医院ホームページ
https://niimimasanori.com/

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