うちの子がお腹を下しがちで困ってるんだけど、何か対策方法はある?新見正則医院院長、新見先生に伺いました!

うちの子がお腹を下しがちで困ってるんだけど、何か対策方法はある?今回はそんな悩みについて、医学博士であり、漢方医でもある新見正則医院院長、新見 正則先生にお伺いしました。



お腹を下す原因のひとつは、ストレス?

衛生環境が劣悪な時代は感染症や食中毒による下痢は命取りになりました。
しかし、昨今の日本で急性の下痢で命を失うことはほぼなくなりました。
慢性的に何度もお腹をくだしてしまうということは基本的に体質的なものです。
しかし乳糖不耐症(牛乳や母乳に含まれている乳糖を消化吸収できず下痢などの症状を引き起こす病気)の可能性もありますから、一度は小児科を受診しましょう。
そして小児科で特段の問題がないと言われたら、子どもの成長を見守ってください。

ストレスによってお腹を下す子どもも少なくありません。
お子さんに上手に「嫌なことがないの?」と聞いてみるといいでしょう。
生きていくということはストレスに曝された環境で生きることです。
ストレスがまったくない世界で生きることは基本的に不可能です。
いろいろなストレスをスルーする能力を、特に子どもの頃に鍛える必要があります。
そんな能力をレジリエンスと称します。
レジリエンスとは復元力とか回復力とか翻訳されますが、どうも日本語訳がしっくりとこないのでレジリエンスが使用されます。
レジリエンスを鍛えるとストレスに強くなるのです。些細なストレスには立ち向かうことが大切です。
それを乗り越えたり、ちょっと乗り越えられずに挫折したりしながらレジリエンスは鍛えられます。一方で、命に関わるようなストレスからは逃げることをしっかりと教えましょう。

お腹を下す子どもにおすすめの漢方薬

お腹をくだすお子さんにおすすめの漢方薬があります。
それは小建中湯(しょうけんちゅうとう)です。これを服用しながら、レジリエンスを鍛え、お腹をくだす頻度が減るかを確認していくとよいでしょう。
小建中湯は気長に何年も内服して問題ありません。小建中湯を内服してもひどい下痢となるときは、五苓散(ごれいさん)という漢方薬を追加で飲みます。
おまじないのように「このお薬を飲むとだんだんと体が強くなるよ!」と言い含めて小建中湯を飲ますことが大切です。
子どもにはこんなプラセボ効果(偽薬の効果)も実は相当有効なのです。そしてプラセボ効果以上のものが小建中湯にはあります。
お子さんが服用する漢方薬なので、漢方を扱う医院や薬局で相談してみてください。 
また、お子さんをちょっと遠くからでも、しっかりと気を配って見守ることが子育てには大切です。
子育て体験を通じた人生観の書籍などもありますので、是非、子育ての参考にしてみてください。

執筆者

新見正則先生
新見正則医院院長

経歴
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。
98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。
2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。
20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。
現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。
最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで3冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝きました。
また、今回の記事にも関連する、一人娘を育て上げた思いを書籍にした「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」(新興医学出版社)が近日発刊予定。
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新見正則医院ホームページ
https://niimimasanori.com/

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