[お答えします]セミリンガルとはどういう状態?母国語が大事なのはなぜ?幼児教育で避けた方がいいことはある?

セミリンガルとはどういう状態?母国語が大事なのはなぜ?今回は、多国語を聞く環境で育った経験を持つ、MCA達成&成功コーチング代表、福田 美智江さんにお伺いしました。



セミリンガルってどんな状態?

セミリンガルは二つの言語、つまり母語も多言語も不完全である状態を指します。
ダブルリミテッドとも言われています。二つの言語は友達と話すことができますが、本を読むときや、その言語での学習には難しさを感じる状態です。
言語はその人の思考していることを伝える道具になります。ですから、まずそのお子さんの思考力や感性を育てることが大事であり、それを言語化できるようにすることが大切になります。
それには親との深い会話ができる母国語が育っていることが重要になります。その言語にはその文化も乗っていますので、その背景を知ることができることで、より思考力に結びついていくのです。
例えば、林檎とアップルでは、リンゴの種類や味が違い、それを表している話者や著者や先生の言わんとすることを受け取ることが、本当の意味のコミュニケーションになります。
それが一辺倒の「言葉だけ」の知識になりますと翻訳機だけのコミュニケーションになりがちで、セミリンガルという状態になる可能性があります。
ですから、親とのコミュニケーションの中で、特に幼児期には、しっかりとした母語の土台が必要になります。その上で、翻訳することはどの年齢でもできるようになります。

幼児教育で避けた方がいいことはありますか?

「これはappleだよ」とか「This is an apple、これはリンゴ」と日本語と英語を混ぜて話す、あるいはいつも英語を日本語に訳して伝える語りかけは出来るだけ避けた方が良いです。
特に幼児期ですと、両方とも混ざって覚え、どれが母語でどれが英語かがわかりにくくなったり、または、英語を聞いた後は日本語訳がないと不安になったりするようになります。
出来るだけ、英語を話すときは英語のみに統一することが大事になります。

私はブラジルで11歳まで育ち、家庭の中では両親とはポルトガル語で話し、祖父母からは日本語で語りかけられていました。そのときは殆どポルトガル語で返していました。
そして、今では、私にとって母語は日本語であり、英語とポルトガル語を教えています。
育っていく過程で発音の課題はいくつもあり、本を理解することやその言語での学習は、語彙が解らないこともありましたが、伝えている言葉での理解力に困ったことはなかったです。
それは、両親と祖父母が日本語で話しているのをずっと聞いていたことや、その文化をもしっかり理解できるような環境をつくってくれていたためです。祖母からは日本語の本を読んでもらったり、昔話を聞かされたりしていました。そのおかげで、セミリンガルにならなかったと感謝しています。
皆さんも、お子さんの教育方針をきちんと定めて接してあげてくださいね。

[執筆者]

福田 美智江
MCA達成&成功コーチング代表
講師/コーチ

[プロフィール]
17歳まで海外で生活。小学校はポルトガル語教育、中学校は日本語教育、高校は英語教育を受ける。15年間英会話教室を主宰し、2012年にMCAを設立。「MCA達成&成功コーチング」では、自分を知り自分に自信を持ちながら、周囲の人とうまくコミュニケーションを取ることができ、「世界に通用する才能を育てる」活動を行っている。
「英会話コーチング」を小学生~社会人に、傾愛力®講座やセッションを親御さんに、
保育園・幼稚園・学校・教育委員会に研修を行なっている。3人の子どもを持つ母親

MCA 達成&成功コーチング
https://www.mca-coach.com/

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