子どもがメイクに興味津々!?手放しでOKしてもいい?気を付けることありますか?美容皮膚科の医師徳永先生に伺いました!

うちの子がメイク品に興味を持ち始めた!そんなときに気を付けることって?今回は美容皮膚科の医師でもある、医療法人メディスタイル院長の徳永理恵先生に子どものメイクについてお伺いしました。



子どもがメイクに興味津々、そんなときは?

小学生くらいになると、小さい時から、お母さんがお化粧するのを興味津々で見つめていたり、時には化粧品をいたずらしてみたりしていたお子さんが、「自分をかわいくみせたい」「お友達もやっているから」と意志をもってメイクを始めるようになる子も出てきます。
大人から見ると、お化粧なんてしなくても十分かわいいのに、と思ってしまいますが、本人たちにとっては関係ありません。
世の中には安くてかわいい化粧品がたくさんあり、お子さんにも手に取りやすいものばかり。
お化粧やヘアメイクをしてきた先輩として、ママさんたちがお子さんにどんなアドバイスをしたらよいか、医学的な目線からお話ししたいと思います。

メイクしたい!と言ってきたら、まず教えることはコレ!

一番最初にぜひ教えていただきたいのは洗顔のやり方です。
これは間違っている大人も多いのですが、汚れをしっかり落とすことより、いかに自分の皮膚を傷つけずにメイクや汚れだけを落とせるかが大事なポイントです。
特にお子さんの皮膚はデリケート。強い力で擦ったり、スクラブやピーリング作用のある洗浄剤を使ったりせず、十分な量のぬるま湯でしっかり洗った後、よく泡立てた洗顔料を転がすようにして洗います。
皮膚がふやけると傷つきやすくなります。できるだけ短時間で優しく落とすことが大切です。
そのためには、「お湯で落とせる」「石鹸で落とせる」といった化粧品を選ぶとよいでしょう。
お子さんにどんな化粧品を選ぶといいの?という方は、”落としやすさ”を基準にまず選んでみてください。
落としやすい化粧品は肌への負担も少ないです。
そして、化粧を始めたら、保湿の仕方も教えてあげてください。
洗浄剤を使って洗顔した後は、基本的には化粧水、乳液などで肌を整えます。
その際、コットンなどは使わず、手の平でていねいに時間をかけずにそっと全体に塗り広げます。
基礎化粧品はあまり美容成分などにはこだわらず、保湿メインのシンプルな設計のものがおすすめです。

こんなときは要注意!

デリケートなお子さんの肌は化粧品でかぶれたり、乾燥したりしやすいです。
かゆみが出たり、赤くなったり、粉を吹いたようになったときは皮膚科へ受診しましょう。
ヘアケア剤も頭皮というより、耳や目の周りなど、より敏感な皮膚に影響が出やすいです。
ニキビが出てきたお子さんが隠そうとして化粧をしたり、前髪をのばそうとするのを怒ったり、無理にやめさせる必要はありません。
それで自信をもって生活できるのであれば、自由にさせてあげたいものです。
ただし、ニキビがあるときは必ず皮膚科を受診し、処方のお薬を使ったうえで、選ぶ化粧品は「ノンコメドジェニック」などの記載のあるものを選んだり、皮膚科でおすすめされたものを使ってください。
ファンデーションであればミネラルファンデーションなどをおすすめされることが多いです。
前髪を伸ばそうとする場合は、ヘアケア剤には注意して、おでこのニキビが悪化するようなら頭の皮膚に問題がなくても、見直してみてください。
まとめますと、メイク用品、ヘアケア剤の選び方としては、まず落とすときに肌に負担をかけないもの、そして赤くなる、ニキビが悪化するなどの炎症を起こさないものを選び、皮膚にトラブルがあるようであれば軽微であっても皮膚科受診をおすすめします。

それから、気をつけていただきたいのが、見た目と心の問題です。
学童期~青年期にかけてのお子さんは成長に伴い見た目の変化が非常に大きい時期です。ただでさえ変化が大きいところにあまり見た目を変化させるメイクをすると、自分の素顔というものを脳が認識しづらくなることがあります。
拒食症になったり、整形を繰り返したり、過剰な刺青を入れたりするのは、本来の自分の見た目と自分”像”がかけ離れていくために生じやすくなります。
十分に成長し、変化があまり大きくなくなってからは好きなメイクを楽しんでいただきたいですが、成長期は、自分の顔にほんの少し手を加えて、本来の自分の魅力を引き出してあげる、くらいのナチュラルメイクまでがおすすめです。
お子さんが正しくメイクを楽しめるよう、必要なところは気を配ってあげてください。

[執筆者]

徳永理恵先生
逗子メディスタイルクリニック院長

[プロフィール]
国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。
横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。
都内美容皮膚科勤務を経て、
2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。
自然・健康・美容のまち『逗子葉山』で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。
自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案。
形成外科、皮膚科、歯科の考え方を統合し、医師・看護師・歯科衛生士・言語聴覚士と表情筋リハビリに力を入れている。
3人男子の育児にも奮闘中。

所属学会
日本形成外科学会
日本美容皮膚科学会
日本サポーティブケア学会
医療アートメイク学会

逗子メディスタイルクリニック ホームページ
https://medi-style.jp/

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