子どもが歯並びを気にしたり、写真や大口を避けたりしていませんか?「矯正治療を始めるべき?」「まずは相談だけでもいい?」という疑問について、北上しらゆりデンタルクリニック院長の境英二先生が解説します。

「自分の歯並びが嫌い」「口元を見られたくない」「写真に写りたくない」
子どもからこのように言われたら、保護者の方はどのように答えますか。
「誰も気にしていないよ」「そんなに変じゃないよ」と励ましたくなるかもしれません。あるいは、本人がそこまで悩んでいるのなら、すぐに矯正治療などを受けさせたほうがよいのではないかと考える方もいるでしょう。
歯科医院では、歯並びや歯の色、口元の形など、見た目に関する相談を受けることがあります。実際に歯科的な治療を検討したほうがよい場合もありますが、外見への悩みが強く、日常生活にまで影響しているときは、「歯をきれいにすれば解決する」とは限りません。
今回は、子どもが歯並びや口元を過度に気にしているとき、保護者が確認したいことを歯科医師の立場からお伝えします。
外見を気にするだけで「身体醜形症」とは限らない
身体醜形症(醜形恐怖症)とは、他人からは分からない、またはごくわずかに見える外見上の特徴を強く気にして、大きな苦痛を感じたり、生活に支障をきたしたりする精神疾患です。
気になる部分を鏡で何度も確認する、反対に鏡を避ける、人と自分の外見を繰り返し比べる、欠点だと感じる部分を隠そうとする、といった行動がみられることがあります。
ただし、子どもが「歯並びが気になる」と言っただけで身体醜形症と判断することはできません。思春期は、周囲からどう見られているかを意識しやすく、外見への関心が高まる時期でもあります。また、友人に歯並びについて何かを言われた、SNSで整った口元の写真を見たなど、悩み始めたきっかけがあるかもしれません。
大切なのは、外見を気にしているかどうかだけでなく、その悩みによって生活がどの程度妨げられているかを見ることです。
「生活への影響」が相談を考える目安
例えば、次のような変化が続いていないか確認してみてください。
○鏡やスマートフォンで口元を何度も確認している
○口元を隠すことに多くの時間を使っている
○写真撮影を極端に嫌がるようになった
○人に見られることを避け、友人との交流が減った
○学校や外出を避けるようになった
○歯並びのことを何度も尋ね、安心できない状態が続く
○「この口元では生きていけない」など、強い苦痛を訴えている
一つ当てはまったからといって、身体醜形症とは限りません。しかし、外見への不安によって学校生活、友人関係、睡眠、食事などに影響が出ている場合は、本人の性格や一時的な悩みとして片づけず、専門家への相談を検討してよいサインです。
「消えたい」「生きていたくない」などの発言や、自分を傷つける行動がみられる場合は、様子を見続けず、速やかに医療機関などへ相談してください。
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