前回の話
保護所での生活は、20人ほどの子達と大部屋で過ごす毎日。自閉症や発達障害の子がいつも暴れていたため、樹里ちゃんは家で暴れていた海ちゃんのことを思い出していしまい、平常心を保てていませんでした。ある日とうとう一人の小学生に手をあげそうになってしまったところで、ある入所者の女の子が樹里ちゃんを止めるとともに優しい言葉をかけて寄り添ってくれたのでした。

姉育てに疲れて一時保護所に入った話【11】


保護所にいる間、児童相談所の職員さんと面談があったのですが
面談というよりは質問に答えるため樹里ちゃんにとっては事情聴取みたいなものだと感じていました。

「お姉ちゃんはあんなに勉強できるのに本当に発達障害?」
「お姉ちゃんもお母さんも頑張ってるからいつか薬も飲まなくても良くなるかもよ!」
「もっとお母さんに自分の意見言っていいんだよ!」
「お母さんは樹里ちゃんの事が大好きだから、本当は愛されてるから大丈夫だよ!」
・・・。

相談員さんの言葉はいつも的外れだと樹里ちゃんは感じていました。

「子どもを本気で愛してない親なんていない。
お母さんの鬱病もいつか治るよ。こんな所にいるより早く家に帰った方が幸せだと思うよ。」
そう優しい顔で語り掛ける相談員さんでしたが・・・


親に愛された事しかない人間が綺麗事言ってんじゃねーよ。
相談員さんの話すことを聞きながら、樹里ちゃんはそんな風に思っていたのです。

「嫌です。あんな家帰りたくありません。」
樹里ちゃんはハッキリと主張しました。

面談の間にも相談員さんのスマホは鳴り、
一時保護について
「すみません今いっぱいで入れなくて・・・2週間ほどお待ちいただければ・・・」
と困った顔で対応している相談員さんの姿を見て、樹里ちゃんは悟りました。

(私は命に関わるほどの状況ではないから、早く出てって欲しかったんだね)
と。

続きます。
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ゆーとぴあ
事実を元にした子育て漫画を描いてます。
長男、仙尾部奇形腫という珍しい病気。
次男、発達障害で特別支援学級に在籍しております。
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一時保護所の利用希望者が後を絶たない様子なのですね。まだ家に帰りたくない樹里ちゃんですが、どうなってしまうのでしょうか。
[ママ広場編集部]

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